「徳川家康と服部半蔵忍者隊」が愛知と忍者の魅力を発信する目的で作った動画「遅刻忍者 / A late ninja」が現在、話題を呼んでいる。
「武将のふるさと愛知」を盛り上げる目的で2015年7月に結成した同隊。愛知にゆかりのある「服部半蔵」を中心とした6人の忍者で構成する。名古屋城で来場者に対する「おもてなし」を行うほか、土曜・日曜・祝日は「忍者ショー」も開催している。
11月13日から、ツイッターとフェイスブックで30秒バージョンを、ユーチューブで5分間フルバージョンを展開する。放映開始後、SNSでの再生回数が1日で1万5000回超えを記録するほか、外国人からのコメントがあり、国内外からの反響があるという。
ストーリーは中部国際空港セントレアで服部半蔵が、「名古屋城へ御急ぎを」という手紙を受け取ることから始まる。名古屋城に向かう道中で敵忍者に追われ、セントレア、大須観音、オアシス21、名古屋テレビ塔などを、吹き矢などの忍術を使い、バク宙・バク転のアクロバット、ビルからビルへ回転ジャンプしながら飛び移るなどパルクールを駆使しながら、攻撃を交わして進んでいく。
ストーリー構成は同隊を運営する三晃社が手掛け、演出や撮影はアクション専門会社が担当した。企画背景について企画担当の堂原有美さんは「愛知の観光PR隊として、世界に伝えるべきワンメッセージは『名古屋城にきてね』」。愛知の入り口「セントレア」と、最終ゴールの「名古屋城」をしっかりと押さえ、その間の道のりをパルクールで駆け巡り、愛知県の観光地を見せていくという構成にし、ストーリーを付け引き立たせたという。
「真剣に急ぐ服部半蔵。しかしその理由は、名古屋城で披露する演武ステージのためだった」というオチを付け、名古屋城では「おちゃめ」な演出も。はじめは「急ぐ忍者」だけだったが、タイトルから目を引かせるために「遅刻忍者」と銘打った。「幸い、忍者隊の服部半蔵のキャラクターがストーリーのキャラそのままでの愛されキャラで、映像を見た人から『半蔵らしい』とささやかれているのがとてもいいなと思っている」と堂原さん。「撮影は危険なシーンも多々あり、祈るような気持ちで見ていた。プロはすごいな、とひしひしと感じた」とも。
反響があることについて「忍者隊の存在自体が認識されていることがうれしく、『忍者隊、かっこいい』といった声がありがたい」と堂原さん。「忍者は世界から注目されるコンテンツ。少しでも地域に貢献できるようコツコツ忍耐で積み重ね、動画を第2弾、第3弾と展開できれば」と意欲を見せる。