「NGUラブリッジ名古屋」(以下、名古屋)は8月31日、名古屋港サッカー場で行われた「なでしこリーグ」2部昇格を懸けたプレーオフの第1戦で「JFAアカデミー福島」との対戦に0対3で敗れた。
出だしの悪さがすべてだった。負けられないプレッシャーからか、全体に動きが重い名古屋。対するac福島は、先発の平均年齢は16.3歳ながら、U-17女子ワールドカップなど世界の厳しい舞台を経験してきた「エリート集団」で、大舞台での経験の差が明暗を分けた。
「ガチンコできた相手に対して、受けてしまった」と熊田監督が悔やんだように、アグレッシブにプレッシングを掛けるac福島に、立ち上がりから押し込まれる時間が続く。
中盤でボールを失うと、FW岩井蘭選手、MF沼尾圭都選手らスピードのある選手に縦パスを入れられて何度もカウンターを受けた。それでもキャプテンの道倉宏子選手を中心に最終ラインが身体を張って持ちこたえたが、前半31分、岩井選手に先制点を奪われる。名古屋はすぐさまFW加藤もも選手を投入。「(ベンチから見ていて)シュートが少なかったので、貪欲にゴールを狙おうと思っていた」とドリブルで仕掛けてゴールを目指すも、劣勢を覆すには至らない。
後半は、FW竹林佑真選手、福井しほり選手を次々とピッチに送り、攻撃に良化の兆しが見られたが、その矢先の後半12分、ac福島の渡部麗選手にミドルシュートを決められてしまう。2点を追う名古屋は、道倉選手を前線に上げてゴールを狙いにいくが、前がかりになったところを突かれて3点目を献上。最後まで悪循環を変えられず、0対3で敗れた。
3試合の短期決戦において1試合の比重は大きい。得失点差の争いになることも考慮すれば、0対3での敗戦は重く、悲願の2部昇格へ向けて早くも崖っぷちに追い込まれた。大事な一戦を落とした選手の落胆の色は濃かった。
試合後、メディア対応を行った加藤選手は「少し待ってください」としばらく気持ちを切り替えた後、「2部に上がるためにはもう勝つしかない。次の試合では必ずゴールを決めて、勝利に貢献できるようにしたい。応援してくれている方やサポートをしてくれる方たちの期待や応援に応えられるように、次は絶対に勝ちます」と前を向いた。道倉キャプテンは「簡単に勝てる相手ではないので、本当に気持ちを入れてやらなければならない。今日の試合で負けて、引き締まったところもあると思うし、昇格するためには、残り2試合を勝つしかないので、ある意味開き直ってやっていきたい」と話していた。
レギュラーシーズンは、終盤、勝てない時期が続いた中、残り3試合を連勝して逆転優勝を掴んだ同チーム。残す2試合での土壇場での勝負強さに期待が高まる。