中京テレビ放送のアナウンサー佐藤啓さんが12月7日、書籍「無名の開幕投手 高橋ユニオンズエース・滝良彦の軌跡」を出版した。出版社は桜山社。
佐藤さんは名古屋市出身。南山大学卒業後、損害保険会社勤務を経て、中京テレビにアナウンサーとして入社。日本テレビ系「ズームイン!!朝!」「ズームイン!!SUPER」の中京地区キャスターを20年にわたり担当したほか、「スポーツスタジアム」MCやプロボクシング世界戦の実況などで活躍。2010(平成22)年から同局アナウンス部長を5年間務めた。現在は「ストライク!」MCなどを担当している。
同書は、佐藤さんの母校・南山大学出身で初のプロ野球選手となった滝良彦さんの半生をまとめたもの。滝さんは1952(昭和27)年に毎日オリオンズに入団してプロ野球選手となり、1954(昭和29)年から1956(昭和31)年までのわずか3年間存続した球団「高橋ユニオンズ」ではエースとして活躍。球団初年度の開幕投手に抜てきされ、3年間でチーム最多の31勝を挙げた。
佐藤さんは野球雑誌の記事で滝さんの存在を知り、自ら消息を訪ねて交友を結んだ。同書では、生前の滝さん本人の人となりや言葉をはじめ、滝さんの家族やプロ野球関係者らに取材を重ね、名投手の歩んだ人生、プロ野球の歴史や時代の変遷などを書き記している。
佐藤さんは「パ・リーグ動乱期に誕生してすぐ消えた幻の球団のエースが母校の大先輩だったとは。レジェンドたちと対戦した滝さんの戦いの跡を、人の縁、野球の縁、時代背景をテーマに書いた」と話す。
仕様は四六判並製、392ページ。価格は2,640円。