世相を反映した「変わりびな」が現在、名鉄百貨店本店(名古屋市中村区名駅1)本館4階特設会場で展示されている。
1919(大正8)年創立の「真多呂人形」(東京都台東区)が1946(昭和21)年から毎年作り続けている「変わりびな」。名鉄百貨店本店では5年前から、ひな人形の販売シーズンに合わせて展示している。毎年、楽しみにしているファンもいるという。
今回は2020年の出来事をモチーフにした6種類の「変わりびな」が並ぶ。最年少で王位と棋聖の二冠を獲得した瀬戸市出身の藤井聡太さんをかたどった「最年少二冠」びな、マスクを着用した2人とその間に飛まつ防止ボードを配置した「新しい生活様式」びな、マスク姿で旅行バッグを持った男性と検温機を手にした女性の「GoTo」びな、リモート会議やリモート飲み会を表現した「リモート」びな、医療防護服に身を包んだ「医療従事者に感謝」びな、菅首相と真理子夫人の「たたき上げ総理」びな。
売り場スタッフは「『最年少二冠』が、地元の人が活躍した、めでたい変わりびなで気に入っている」「触れることはできないが、人形の後ろ側までのぞき込んで見てもらえれば。『リモート』びなの人形の洋服は緑と黒の市松模様で、話題のアニメをイメージさせるデザインを取り入れているなど遊び心もある」と話す。
例年に比べ展示期間を長くした。「長期間あるので様子を見て来ていただければ。2020年を振り返り、その時の自分や世間のことを思い出しながら楽しんでほしい」と話す。変わりびなの展示は4月27日まで。
「変わりびな」は非売品だが、ひな人形商品を展示販売している。マンション居住者が増えたことから、コンパクトなひな人形が売れ筋だという。名古屋の作家作品や、お内裏さま・おひなさまの衣装や扇にスワロフスキーを付けたひな人形などが並ぶ。ひな人形の展示販売は3月2日まで。
営業時間は10時~20時。ひな人形の販売は19時まで。