JRセントラルビル15階の「名古屋マリオットアソシアホテル」(名古屋市中村区名駅1)のロビーに現在、「雛(ひな)のつるし飾り」が飾られている。
「雛のつるし飾り」は江戸時代後期発祥の伝統文化工芸品で、初節句を迎える娘の健やかな成長と良縁に恵まれることを願い、ひな人形の段飾りと一緒につるして飾られる。同ホテルロビーには毎年、愛知県の大治町文化協会「雅(みやび)の会」会員、約60人による手作りの「雛のつるし飾り」が飾られる。
ひなは、「福」や「不苦労=幸福」の意味を持つ「フクロウ」、「厄が去る」の「サル」、虫よけの効果で悪い虫がつかないようにという意味の「唐辛子」、滋養がある食べ物として「ニンジン」「柿」「トウモロコシ」、干支などや、「ペンギン」「イチゴ」など見た目もかわいらしいものをモチーフに、着物のはぎれや古布を使って作られる。大きさは1個あたり約10センチ。ひなにひもを通し、複数個連ねて飾る。
同ホテルの「つるし飾り」は高さ3.8メートル、直径5.2メートルで、ひな人形の段飾りを囲うように飾られ、「つるし飾り」の中を回遊できるようになっている。周りには長さ3.8メートルの有松・鳴海絞の麻の葉模様のレースカーテンを飾る。同ホテル担当者は「一昨年から始めたぐるりと回れる展示方法は好評。毎年、『この時期が来たね』と声を掛けてもらえるほど、お客さまにもホテルスタッフにも人気の企画」と話す。おすすめの撮影アングルは、正面の少し下からで、中のひな人形もつるし飾りも写真に収めることができる。
11回目になる今年は、34種類、1万588個のひなが飾られた。今年は「アマビエ」をモチーフにしたひなや「さるぼぼ」もマスク姿にするなど、「季節感に加え時節も取り入れて作られている。アマビエひなは色や柄はもちろん、表情もそれぞれ異なる。ホテルスタッフもお気に入りを見つけて、SNSに投稿するなど楽しんでいる」と同ホテル担当者は笑顔を見せる。
ロビーラウンジ「シーナリー」では、アマビエモチーフのケーキ「プリエール」を期間限定販売する。いちご大福をいちごクリームでモンブラン仕立てにしたケーキで、アマビエをアイシングで描いたマカロンと麻の葉模様のチョコレートを添える。「プリエール」はフランス語で「祈り」を表す。「初日から完売で、好評を頂いている」と同担当者。価格は840円。
「雛のつるし飾り」の展示は3月3日まで。「プリエール」の販売は4月3日まで。