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名駅近く「西柳公園」で有志が清掃活動 ポイ捨てごみ深刻、「マナー守って」

名古屋駅地区街づくり協議会が音頭を取り、有志による清掃活動「ひろえば西柳公園が好きになる運動」の様子

名古屋駅地区街づくり協議会が音頭を取り、有志による清掃活動「ひろえば西柳公園が好きになる運動」の様子

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 有志による清掃活動「ひろえば西柳公園が好きになる運動」が現在、名古屋駅近くの「西柳公園」(名古屋市中村区名駅4)で展開されている。

ベンチに放置されたワインの空き瓶4本と、それを飲んだと思われる汚れたプラカップごみ

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 音頭を取るのは、東和不動産(名駅4)内に事務局を構え、周辺企業で構成される「名古屋駅地区街づくり協議会」。同協議会は毎月1回、同公園も含む名古屋駅東側周辺の清掃活動も行っている。

 同公園の周辺にはオフィス、商業施設、地下街、ホテル、学校などがあり、同公園もワーカーや学生の休憩やダンスの練習の場など多くの人に利用されている。中村区が委託した事業者が毎週月曜に区内の公園の清掃を行うほか、周辺企業、ボランティア団体なども定期的に同公園を含むかいわいの清掃活動を行っている。

 それでもごみが目立つため、以前から同協議会の岩崎洋志さんと佐伯恵さんが2人で清掃活動を行っていたが、拾った翌日に前日と同じくらいの量のごみが捨てられている状態で手に負えなかったという。ごみの状況を知らせ「徹底的に清掃活動をしてみよう」と、同協議会メンバーや知人にグループメールやSNSで声を掛けた。活動名も付けて10月5日に初回を開催。その後、7日・8日と続けた。岩崎さんによると、団体・企業の清掃活動日以外で活動日を設定しているという。

 ポイ捨てされたごみの状況は深刻。ベンチの上や下に放置されるほか、植え込みに刺すように空き缶やたばこの空き箱などが、地面にばらまかれるようにカップ麺の容器や割り箸、たばこの吸い殻などが捨てられている。7日の取材日も、多くの吸い殻、焼酎の空瓶や酎ハイの空き缶、ペットボトル、菓子の空袋などのごみが集まった。それでも翌日の朝には、同様のごみのほか、ワインの空き瓶4本と、それを飲んだと思われる汚れたプラカップがベンチに放置されていた。

 近隣のホテルに宿泊していた親子がごみ拾いに飛び込み参加したエピソードも。「保護者から『吸い殻には触らないように』という声も聞こえる中、吸い殻が落ちている砂場で、おもちゃの車で遊んでいた子どもから『手伝いたい』という声をもらった」(岩崎さん)という。清掃活動やごみの状況は同協議会のSNSで紹介している。

 特にアルコールの空き瓶・缶のごみが増え出したのは昨年からだという。同協議会は新型コロナで飲食店の時短営業や休業、レジ袋の有料化が影響しているのではと推測。オフィスや施設の禁煙化が進み、喫煙のために公園に訪れる人も多い。佐伯さんは「滞在できる場を求め公園に集まり、飲食物を持ち込み、自分たちで出したごみを持ち帰りづらくなり『誰かが片付けてくれるだろう』という心理が働くのでは」。岩崎さんは「緊急事態宣言も明け、飲食店も利用しやすくなったが、公園での『外飲み』に味を占めた人もいるのでは。使うのは自由なので、ごみを持ち帰るなど、マナーを守ってほしい」と話す。

 清掃に参加していた名古屋市緑政土木局中村土木事務所副所長の松本吉史さんは「原則は自由に使用してもらう公園だが、譲り合いやマナーを守るのが前提。昔の公園はごみ箱が設置されていたが家庭ごみの持ち込みなどもあり、現代では撤去されている。喫煙は携帯灰皿を持ち、周りの人に対し嫌煙に配慮してもらえたら。このままでは監視カメラの設置などハード面の対策も考えなければならない」と話す。公園を囲む植栽は防犯と雑草が生えづらくする目的で低層に広がる種類を選んだが、「植栽の隙間からたくさんのたばこのフィルターが見つかり、がっかりする」(松本さん)とも。

 10月の活動予定は12日・14日・15日・19日・22日・28日・29日。時間は9時30分~10時30分(雨天中止。中止の判断は当日の朝に同協議会のフェイスブックで案内する)。一般参加も受け付ける。申し込み不要。清掃用具は同協議会で準備するが持参も可能。

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