「すくいやすさ」にこだわった美濃焼の食器「SUQ(スクー)」の展示会が11月26日、地下鉄国際センター駅近くのカフェ「ROWS COFFEE」(名古屋市西区那古野2)で始まる。
東海エリアの魅力を楽しめる体験プログラムを企画・運営する「大ナゴヤツアーズ」(中区大須3)による、ものづくりプロジェクト「大ナゴヤプロダクツ」の一環として開催。取り組みの背景について、代表の加藤幹泰さんは「ツアーでさまざまな産地を訪れる中で、『作り手』と『使い手』をつなぐことができれば、もっと多くの人にものづくりを身近に感じてもらえると考えた」と話す。
プロジェクト第2弾となる今回は「使い手目線で欲しいと思うものを、ダイレクトに形にしていく挑戦」として、「こんな美濃焼のうつわが欲しい」をテーマにアイデアを一般募集。40通の応募から、「双子の子育てを頑張るお母さんから届いた『赤ちゃんから大人まで長く使える、すくいやすい食器が欲しい』というアイデアに着目した」という。「これまでの子ども用食器には、大人も一緒に使えるものがなかなかなかった。デザイン性と機能性を兼ね備えた食器を開発できれば、子育て以外のシーンでも役立つと思った」と加藤さん。アイデア採用者も開発に携わり、製品化を進めた。
開発のためタッグを組んだ「作り手」は、岐阜県瑞浪市の洋食器メーカー「深山」の柴田正太郎さんと、多治見市で陶磁器産業の文化を発信する拠点「新町ビル」を運営し、食器のセレクトショップ「山の花」のオーナーを務める花山和也さん。約1年の開発期間を経て完成した「SUQ」は「広めのリム(縁)を付けたため、すくいやすく、こぼれにくいことが特徴」と加藤さん。「安定感のある形状で、持ちやすい。汁物もしっかり最後まですくえるよう、深さも微調整した」とも。
サイズは、「リムボウル」大・小と「リムオーバル」大・小の4種類。カラーバリエーションは、ガラス質の多い素材を高温で焼いた「白磁(はくじ)」をはじめとした6色。現在、クラウドファンディングを活用してプロジェクトのストーリーを紹介し、「リターン」として各種類の食器の先行販売を受け付けている。
加藤さんは「毎日使う食器だからこそ、手で触れて、使い勝手を試してもらえたら。スプーンも用意しているので、実際に『すくいやすさ』も体感してほしい」と笑顔を見せる。
開催時間は10時~17時。今月30日まで。