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名駅で「銀河鉄道の父」舞台あいさつ 役所広司さん、成島出監督登壇

「銀河鉄道の父」舞台あいさつに登壇した役所広司さん(左)と成島出監督(右)

「銀河鉄道の父」舞台あいさつに登壇した役所広司さん(左)と成島出監督(右)

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 映画「銀河鉄道の父」の公開を記念した舞台あいさつが4月10日、名駅の映画館「ミッドランドスクエア シネマ」(名古屋市中村区名駅4)で行われた。

成島監督は撮影時にも着用していた、出演者のイラストが描かれたスタッフTシャツを着て登壇。「僕も着てくれば良かった」と役所さん

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 同作は、作家・門井慶喜さんの小説「銀河鉄道の父」を実写映画化したもの。詩人・童話作家の宮沢賢治の父で、地元の名士と伝わる宮沢政次郎を主人公に、賢治への愛を貫いた宮沢家の人々を描く。主人公の政次郎を役所広司さん、賢治を菅田将暉さん、賢治の妹・トシを森七菜さんが演じる。

 当日は、役所さんと成島出監督が登壇した。成島監督は「いつか宮沢賢治を題材にした映画を作りたいと考えていた。偶然書店で手に取った原作小説を一読し、非常に厳しい人物だったと伝わる宮沢政次郎のイメージが一変するほどの驚きがあり、ぜひ映画にしたいと思った」と話した。成島監督によると、政次郎は「ユーモラスでチャーミングな、愛にあふれた父親」という。役所さんも「政次郎さんは厳しくも隙だらけ。一家の大黒柱として厳しくあらねばと眉間にしわを寄せるものの、妻や子どもたちは政次郎の隙を感じ取っていたと思う。それが政次郎の愛嬌(あいきょう)のように映ったのでは」と続けた。

 配役について、成島監督は「原作を読んで、政次郎は役所広司さん、賢治は菅田将暉さんを最初にイメージし、どうしてもこの2人に演じでもらいたいと思った。理想的なキャスティングができ、監督としてとても幸せ」と振り返り、これまで数多くの作品で成島監督とタッグを組んできた役所さんも、監督の言葉に目を細めた。

 撮影は、賢治の出生地・岩手県花巻市のほか、名古屋市や岐阜県恵那市岩村町と明智町でも行われた。「以前役所さんとご一緒した作品でも、一部シーンを愛知県豊田市で撮影した。名古屋をはじめ東海地方には何かとご縁がある」(成島監督)、「撮影でお世話になることが多く、名古屋が大好き」(役所さん)と笑顔を見せた。

 過去にも、映画撮影で恵那市を訪れたことがあるという役所さんは「恵那での撮影時、当時お世話になった婦人会の皆さんが『おかえりなさい』と書かれた垂れ幕で出迎えてくださった。エキストラなどでもお世話になり、感謝でいっぱい」とにっこり。来場者の「岩村から来ました」との声に役所さんと成島監督が笑顔を見せる場面も。

 成島監督は「この作品で描いたのは過去の偉人ではなく、今と同じ地平にいる一つの家族の物語。必死に生き抜く賢治やトシの姿は、今の若い人にもリンクするのでは。『泣けた』という感想をよく頂くが、それだけでなく政次郎のチャーミングさを笑って応援してもらえたら」と話した。役所さんも「『おもろうてやがて悲しき』という王道だが非常によくできた話。おかしかったらぜひ笑って、伸び伸びと楽しんでもらえたら」と呼びかけた。

 同作は、5月5日から同館ほか全国の劇場で公開。

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