「名鉄名古屋駅」がメタバース空間上に出現する「バーチャル名鉄名古屋ステーション」が8月25日12時、メタバースプラットフォーム「プラネタ」内特設ワールドに期間限定でオープンする。
「バーチャル名鉄名古屋ステーション」で楽しめる「DJブース案内体験」実施の様子
名古屋鉄道の新事業領域の開拓と先進技術を活用した取り組みによる同企画。全国の鉄道ファンに楽しんでもらえるように、同社初のメタバースを活用した取り組みを検証する。24日にはメディア向け取材会が開かれた。
2線・3面のホームがある実際の名鉄名古屋駅と、名鉄電車「1200系」「3500系」をメタバース空間で、正確な寸法で再現。利用者はアバターで同空間に入り、ホームや車内に入り自由に歩き回れる。閲覧用に停車している車両も設置する。「美化せずにありのままの駅の雰囲気を表現」(名鉄の同企画担当者)といい、使用感のあるようなホームや車内、質感も感じる客席シート、入線・発車時の音、発車ベル、雑音など録音した実際の音を加工して使うなどリアルさにこだわったという。「リアルでないとファンの心に響かない。それにゲーム性を加えた」(同)とも。
同駅の1日当たり平均利用者数は25万5000人(2022年度)。「現実はたくさんの人でにぎわう駅をじっくり見てもらえる。遠方のファンにも楽しんでもらえるのでは」(同)という。
メタバース空間には、3種類のコンテンツを用意する。
運転室(通称=DJブース)に入り案内アナウンスが体験できる「DJブース案内体験」は、案内表示やバーチャル上で手に持てる案内資料を基に、種類・行き先・時間・編成などを時間内に正しく声に出してアナウンスするとポイントが付き、ミスをすると「乗客のイライラゲージ」がたまる仕掛けを用意する。
実際にはコンビニなどがあるホーム内の場所には「名鉄ライブラリ」を設置。新名古屋駅時代を含む昔の名鉄名古屋駅の写真や、時刻表、記念切手などを展示する。
さまざまな方面・種類・編成の電車が入線する同駅の略称「名駅(めいえき)」は「迷駅(めいえき)」とも言われることから名付けた「“迷駅”ストーリーコレクト」では、空間内の随所に置かれた「光るもの」をタップすることで、名鉄にまつわる「小話」を宝探しのように集めることができる。
実際の名鉄名古屋駅営業時間中は、「バーチャル名鉄名古屋ステーション」の電車の発着は基本的にダイヤ通り。「DJブース案内体験」中はゲームの時間が優先される。夜間は回送電車、試運転の電車が登場し、24時間楽しめる。
期間中、体験者からのアンケートも実施し、回答内容は今後の取り組みに生かすという。
今月26日・27日には「TSUTAYA BOOKSTORE 名鉄名古屋」で一般向け体験会も実施する。
利用にはアプリケーションのインストールやアカウント登録が必要。PCで利用でき、動作環境を専用ウェブサイトに掲載している。スマートフォンやタブレットでは利用不可。利用は無料。9月3日24時まで。