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名古屋で入江悠監督が映画「室町無頼」の見どころ語る

来名した入江悠監督。ミッドランドスクエアシネマで映画「室町無頼」の見どころを語った

来名した入江悠監督。ミッドランドスクエアシネマで映画「室町無頼」の見どころを語った

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 1月17日に公開となった映画「室町無頼」の入江悠監督が18日、名駅の映画館「ミッドランドスクエアシネマ」(名古屋市中村区名駅4)で同作品の見どころを語った。

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 直木賞作家・垣根涼介さんの同名小説が原作。大飢饉(ききん)と疫病に襲われ、多くの死者が出た1461年の京(みやこ)を舞台に、日本で初めて武士階級として一揆を起こした蓮田兵衛と権力に立ち向かう無頼たちの戦いを描くアクション時代劇。腕と才覚で混迷の世を泳ぐ主人公・兵衛を大泉洋さんが演じる。共演は堤真一さん、長尾謙社さん、松本若菜さんら。

 入江監督は、2009年に「SR サイタマノラッパー」を自主制作し、映画監督協会新人賞などを受賞。「ジョーカー・ゲーム」「22年目の告白-私が犯人です-」「AI崩壊」「あんのこと」など、注目作を発表し続けている。

 入江監督にとって初挑戦となる時代劇映画。「ぎりぎり時代劇をテレビで親しんでいた世代で、映画監督を目指す時もいろいろな名作を浴びるように見た。好きだった時代劇の記憶を、できるだけ映画の中に入れようとした」と話す。

 主演の大泉さんについては「時代劇は主家のため、家族のためとか、大義名分があって戦うことが多いが、兵衛は風来坊のように現れて人を魅了していくひょうひょうとした主人公。マカロニウエスタンでクリント・イーストウッドが演じていたようなドライさがあり、演じられる俳優は多くない。大泉さんが役柄にほれ込んでくれたのは大きかった」と絶賛する。

 「戦いや師弟関係など多くの魅力があるが、原作は経済小説としてもすごく面白く、脚本でも大切にした。室町時代は貨幣経済が成熟してきて、金融業が発展したことで、金貸しに突っ込んでいく一揆のようなことも起こった。兵衛が弟子の才蔵に言う『己の頭で考えろ』は今の時代にもリンクしている気がする。人に流されるままに行くと、格差社会、貧富の差に飲み込まれていくぞというメッセージがある」と見どころを語る。

 制作中にコロナ禍もあり、完成・公開までに10年の時間がかかった。入江監督は「振り返ると、足かけ10年あって良かったと思う。その間もひたすら取材をし、各地に勉強に行く時間が取れた」と話し、「今は時代劇を作るのが難しい。若い世代の観客は、実写の時代劇は見たことがないという人もいると思う。そういう人たちに届くように、時代劇でしか描けないものがあると伝えていきたい」と映画館への来場を呼びかける。

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