プレスリリース

国宝「源氏物語絵巻」、現存最古の物語絵巻を名古屋の徳川美術館にて公開

リリース発行企業:徳川美術館

情報提供:


国宝「源氏物語絵巻」東屋(一) 徳川美術館蔵  10月22日(火)から11月4日(月・振休)まで公開

徳川美術館の至宝であるばかりでなく、日本の代表的な美術品である国宝「源氏物語絵巻」は王朝時代の人々の雅びやかな暮らしぶりを余すところなく伝えてくれる現存最古の物語絵巻です。徳川美術館では例年11月に特別公開として、所蔵する国宝「源氏物語絵巻」15巻の中から2巻を公開しておりますが、今年は9月から11月までの期間中、場面を入れ替えながら5巻を公開いたします。

国宝「源氏物語絵巻」蓬生 徳川美術館蔵
蓬生
9月22日(日)~10月6日(日)第15帖。
雨あがりの月夜、偶然に末摘花の屋敷のそばを通りかかる光源氏。朽ち果てた屋敷で末摘花に再会した光源氏は、自分を信じ待ち続けた彼女の心に感動し、生活を手厚く援助することを誓う。





国宝「源氏物語絵巻」柏木(二) 徳川美術館蔵
柏木(二)
10月8日(火)~10月20日(日)第36帖。
光源氏の妻である女三の宮と密かに通じた自責の念から、重い病に倒れた柏木。見舞いに来た親友で光源氏の息子の夕霧に、自身の妻の今後と光源氏への謝罪を託しつつ、別れを告げる。





国宝「源氏物語絵巻」東屋(一) 徳川美術館蔵
東屋(一)
10月22日(火)~11月4日(月祝)第50帖。
異母姉である宇治の中の君の屋敷に預けられた浮舟は、中の君の夫である匂宮に言い寄られ傷つく。中の君は浮舟を不憫に思い、自室に招いて女房に絵物語の詞書を読ませる。絵に見入る浮舟は、亡き姉によく似ていた。





国宝「源氏物語絵巻」関屋 徳川美術館蔵 (※絵合の絵は現存していないため、詞書のみ関屋と合わせて1巻の巻子装としている)      
関屋・絵合
11月16日(土)~11月24日(日)第16帖・17帖。
石山詣に出かけた光源氏は、17歳の時に一度だけ逢瀬を遂げた空蝉と、逢坂の関で10余年振りにすれ違う。空蝉は昔を偲び、切ない思いを込めて和歌を詠んだ。





国宝「源氏物語絵巻」竹河(二) 徳川美術館蔵
竹河(二)
11月16日(土)~11月24日(日)第44帖。
玉鬘の娘・大君と中の君の姉妹は幼い時から争ってきた桜の所有権を賭けて碁を打ち、女房達は楽し気に囃し立てる。蔵人少将は夕暮れの霞の中に浮かぶ大君の姿を垣間見て、ますます恋心を募らせる。




国宝「源氏物語絵巻」とは
紫式部直筆の『源氏物語』は現在は存在が確認されていませんが、『源氏物語』は多くの人によって写本が残され、さらには『源氏物語』を題材とした「源氏絵」、それに詞書※を付けた「源氏物語絵巻」も多数制作されました。徳川美術館の所蔵する国宝「源氏物語絵巻」は現存最古、かつその最高峰に位置づけられるもので、12世紀前半、平安時代後期の宮廷を中心として制作されたと考えられています。紫式部が『源氏物語』を著してから百数十年後の制作となるものの、原作に近い時代の雰囲気をよく伝える作品となっています。また爛熟した王朝文化の伝統を踏まえて、研ぎ澄まされた感性による絵画表現、美麗に装飾された料紙にしたためられた詞書の優美な書など、多くの「源氏絵」の中でもひときわ高い格調と説得力をもって、見る者を魅了します。
※詞書(ことばがき)・・・文章部分のこと


国宝「源氏物語絵巻」の形状変化
形と数を変える国宝「源氏物語絵巻」徳川美術館所蔵の国宝「源氏物語絵巻」はもともと、尾張徳川家に3巻の巻物として伝わり、その3巻には10帖分(蓬生・関屋・絵合・柏木・横笛・竹河・橋姫・早蕨・宿木・東屋)がまとめられていました。
この巻子装(巻物状)の国宝「源氏物語絵巻」は、昭和7年(1932)に紙の繋ぎ目を剥がして15枚の絵と28枚の詞書に分け、43面の額面装(額に入れた状態)に改装されます。平面で保存する方が作品に負担がかからないという、当時としては最善の判断でしたが、80余年を経て額面装による弊害が生じてきました。
そこで平成28年(2016)から令和2年(2020)にかけて、最新の修復技術によって1場面ごとに絵と詞書を1巻の巻物に仕立てる再改装が行われました。これにより徳川美術館の国宝「源氏物語絵巻」は、絵と詞書が響き合う、15巻の巻子装となったのです。




額面装時代の国宝「源氏物語絵巻」竹河(二)

巻子装へと修復された国宝「源氏物語絵巻」竹河(二)




秋季特別展みやびの世界「魅惑の源氏物語」9月22日(日)~11月4日(月・振休)開催紫式部によって著された『源氏物語』は、深い人間洞察力に基づくストーリーや洗練された美意識によって紡がれた言葉など、多くの人々を魅了し続け、その後の日本文化に大きな影響を与えました。また文学だけでなく芸能にも影響を与え、絵画や工芸のデザインソースともなり、二次創作物も数えきれません。
国宝「源氏物語絵巻」をはじめとする『源氏物語』ゆかりの品々を通じて紫式部の人となりを探るとともに、日本が世界に誇る『源氏物語』の文化史を紹介し、『源氏物語』の魅力の一端を紐解きます。



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≪徳川美術館 概要≫
名古屋市(東区徳川町)にあり、徳川家康から尾張徳川家初代の徳川義直(家康9男)が譲り受けた遺品を中核に、江戸時代を通じて御三家筆頭の大名家に受け継がれてきた名品と、その後の収集品から成る1万件を超えるコレクションを有する美術館です。
「源氏物語絵巻」や「初音の調度」をはじめとする国宝9件、重要文化財に指定される刀剣・絵画・陶磁器・染織品59件など、様々なジャンルの文化財を継承することで、日本の美を繋ぎ豊かな明日をつくることを目的に活動しています。

■入館チケット

【オンラインチケットサイト/ 前売り期間:8月23日(金)~9月21日(土)
https://www.e-tix.jp/tokugawa-art-museum/
※前売券はオンラインチケットサイトのみでのお取り扱いとなります。

所在地とアクセス
〒461-0023 愛知県名古屋市東区徳川町1017
・JR中央本線「大曽根」駅下車、南口より徒歩8分
・市バス・名鉄バス 基幹2系統「徳川園新出来」下車、徒歩3分
・名古屋観光ルートバスメーグル「徳川園・徳川美術館・蓬左文庫」下車すぐ
・美術館南側に無料駐車場17台あり

開館時間と休館日
10:00~17:00(最終入館16:30)
月曜日は休館(祝日の場合は直後の平日)

■公式ホームページ
https://www.tokugawa-art-museum.jp/
■Facebook
https://www.facebook.com/tokugawa.art.museum
■Instagram
https://www.instagram.com/tokugawa_artmuseum/
X
https://twitter.com/tokubi_nagoya

黒門

外観

名品コレクション第1展示室


名品コレクション第3展示室

名品コレクション第4展示室

本館展示室

徳川美術館
〒461-0023 名古屋市東区徳川町1017
電 話:052-935-6262(月曜日を除く10:00~17:00)

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