円頓寺商店街(名古屋市西区那古野)かいわいで6月1日、コミュニティー通貨「おむすび通貨」の使用が始まった。
今年で3年目を迎える「おむすび通貨」は、共通商品券として提携店で使える有効期限を設けた地域通貨。発行は任意組合「物々交換局」(豊田市)。提携店も受け取った通貨を別の提携店で使うことができ、地域で巡り回る。期限終了後は、地元で生産された米と交換できるのが大きな特徴で、換金はしない。提携店、提携農家は地域内で互いに通貨を使うことで「むすび合う」仕組み。これまでに、豊田市、岡崎市、名古屋市などの地域で提携店を増やしてきたが、「商店街」としての参加は今回が初めて。
もともと地域通貨に興味があったという円頓寺商店街振興組合理事長の高木麻里さん。「地域色が強いことをしたかった」と振り返る。同エリアのカフェの店主らが「おむすび通貨」を発行する物々交換局代表の吉田大さんと知り合いで紹介されたことがきっかけ。今回、雑貨・アンティーク「月のののうさ」、ブラジル音楽のCD・楽器「サンバタウン」、喫茶店「マミーズ コーヒー」、履物店「野田仙」など34店舗が参加。提携店では「おむすび通貨使えます」というポスターを掲出する。有効期限は発行日から半年間の前半と後半の2回に分ける。
「期待することは会話。スーパーで会話なく買い物するのではなく、この『おむすび通貨』を使うことで会話やコミュニティーが生まれたら。お釣りを通貨でもらってもいい」(高木さん)。
今月2日には円頓寺商店街近隣住民を中心とした4歳~72歳の参加者が提携農家での田植え体験を実施。収穫した米を使い、年末に商店街で餅つき大会を開催する予定。「地域通貨だけでなく、このような体験や経験をできることが地元の子供たちにとってとてもいいことだと思った」と高木さん。
提携各店で販売し、1枚(1むすび)=50円。提携店が掲載されたガイドブック(100円)も販売。