今回の公演で「解散」の意を表している宅間孝行さん率いる劇団「東京セレソンデラックス」の最終公演「笑う巨塔」の大千秋楽が、11月28日から、名鉄ホール(名古屋市中村区名駅1)で行われる。公演は10月3日のサンシャイン劇場を皮切りに全7劇場で行う。
PRの目的で名古屋を訪れた同劇団主宰で俳優の宅間さん。1997年に旗揚げした「東京セレソン」。当時、作家は別にいた。3年続けてきたときに、「劇団員がいつでも作品に出演できる所属タレント・役者のようになるのがよくない」「作品のことを思ったキャストがその作品のために集まることが大切」などと、「本当にこれでいいのか」と思い立ち、2001年に「東京セレソンデラックス」と改名。宅間さんが「サタケミキオ」というペンネームで作・演出も手掛け始めた。メンバーには作品ごとにオーディションを受けることにし、それでも残った仲間でこれまで続けてきた。「そのときは10年やって駄目だったら諦めよう」という思いでスタートしたという。
「劇団というよりプロデュース集団のようになっている」と宅間さん。正規メンバーも現在は4人だけで、固定メンバーはいないようなものだという。「メンバーもほかの作品に携わっていることも多く、『東京セレソンデラックス』の看板を下ろすことにしただけ」。『解散」とすると、今まで気になってきたけど見たことがなかったお客さんたちが『解散?ヤバい!』となってくれると思うので…。それも狙い(笑)』とも。
「笑う巨塔」は、病院のロビーを舞台にしたシチュエーションコメディーで、2003年に上演した「HUNGRY」のタイトルを改め再演するもの。2時間暗転なしで、勘違いや行き違いが交錯して巻き起こす笑いと涙のあるストーリー。出演は、宅間さん、金田明夫さん、芦名星さん、斎藤工さん、松本明子さん、デビット伊東さんなど。
「同じ作品でも芝居はどんどん変化していく。最後の名古屋公演が一番いい芝居になるはず」「最後となるとファンの方や応援してくれている人が見納めに来るので、全国から来やすい名古屋を最終公演の場に選んだ。芸事に厳しいと言われる名古屋。名古屋の方にぜひ見てもらいたい。名古屋公演の盛り上がりで今後が決まってきます(笑)」
チケットの販売は今月8日から。チケット購入や公演の情報はホームページで確認できる。