名古屋の中心を流れる運河「堀川」をテーマにしたドキュメンタリー映画製作が進んでいる。企画・製作を手掛けるのは名古屋や東海地区の文化・歴史などをテーマにドキュメンタリー映画の製作を手掛ける「名古屋活動写真」。
9月末に堀川に架かる納屋橋付近の遊歩道で開催されるナイトマーケット「なやばし夜イチ」の撮影が、名古屋ビジュアルアーツの専門学生の協力のもと行われた。若者のグループが企画し、ここ近年人気を集め、かいわいのにぎわいを生み出しているこのマーケット。主催者に、始めたときのエピソードや堀川の印象などをインタビューするほか、出店者や来場者にも堀川をテーマにしたインタビューを撮影した。
名古屋の山車の文化、名古屋空襲、名古屋城に関する映画を製作してきた名古屋活動写真。「名古屋にとって大変重要な役割をしてきた堀川のことを深く知るきっかけになり、堀川の歴史を伝えたいと思った」と代表で監督の森零さん。「見た人が堀川の歴史や文化を学べて、興味を持って川に足を運んだり、川について考えたりする時間が持てるような作品を目指す」
川筏(いかだ)師の一本乗り、堀川を会場にしたイベント、堀川近くに現在も佇(たたず)まいを残す江戸時代の商家「川伊藤家」、堀川狂言、堀川と中川運河を結ぶ「松重閘門(こうもん)」など、多数の堀川周りのコンテンツを取材、撮影する。「市民のみなさんに堀川の歴史や現在の活動状況を知っていただくこと、堀川の浄化活動推進や観光名所としての親水公園化に関心を持つ人口を増やすことで、名古屋のまちづくりに繋げていきたい」(森監督)
完成は来年1月末の予定。3月に中区役所ホールで無料上映会を開催するほか、各地での上映会を続けていくという。