名古屋市は「名古屋港ポートビル」(名古屋市港区)講堂で10月23日、開通80周年を記念した中川運河(中川区~港区)の夢・未来・魅力を考えるシンポジウムを開く。
当日は、風景学の第一人者である東京工業大学の中村良夫名誉教授が、中川運河を名古屋の貴重な風景ととらえ、「運河に映る都市」と題した基調講演や、弦楽四重奏のミニコンサートなどを開催するほか、10月上旬から3回にわたり行われた、一般市民が参加する中川運河再生をテーマにしたワークショップの成果発表も行う。
ワークショップには高校生や近隣住人、大学講師、80代の年配者など幅広い層から25人が集まり、地元、地元以外、中川運河に強い思いを持っていると思われる人などに分けた4グループで、中川運河のイメージについて話し合うほか船上からの運河調査などを行ってきた。
「それぞれ特徴的な意見や結果が毎回でてきた」と名古屋市の中川運河担当の井上さん。「昔は灯台があった」「ポンポン船が走っていた」など昔の印象、「においが気になる」など悪い面、「ため池の役割も担い大雨による浸水から名駅地区を守る」という意外な姿、「松重閘門(まつしげこうもん)」を復活させ堀川をつなぎたい」という将来の夢など意見があがり、「中には(中川運河担当の)わたしたちより詳しい方も」。
中村名誉教授、名古屋工業大学大学院の秀島准教授、NPO法人伊勢湾フォーラム相談役の田村さん、サカエ経済新聞の青木編集長が参加しパネルディスカッションを開催。成果報告に対してコメントや中川運河の夢・未来・魅力について話し合う。「風景、土木計画、NPO、情報発信といった違うジャンルの方々が参加し、それぞれの分野から意見を述べてくれることになると思う」(同)。
開催時間は14時~17時。定員150人。参加無料(申し込み必要)。詳細は同シンポジウムサイトで確認できる。