名古屋駅前「大名古屋ビルヂング」(名古屋市中村区名駅3)屋上にある「ビアガーデン マイアミ」が9月16日、50年の歴史に幕を下ろした。 閉鎖はビルの建て替えに伴うもの。運営はチタカ・インターナショナル・フーズ。
この日は店頭で名前を記入し、先着で当日席の予約を受け付け。早い人で9時から予約の書き込みがあり、開店時には約200人の予約があった。2時間30分の時間制だが、延長料金で最後の瞬間を見届ける利用客も多かった。
同店の名物の一つで店内のステージでライブを行うアイドルユニット「マイちゃん・アミちゃん」の最後のステージには、たくさんの来店客が集まり、大きな盛り上がりを見せた。全115ステージのうち、113回に駆け付けたというファンの勝又さんはTシャツとマフラータオルに「マイちゃん・アミちゃん」の缶バッジ約160個を付けて応援。「一言、寂しい。ライブが終わると客席を回ってくれる。身近なアイドルというところが魅力だった」と振り返る。「マイちゃん・アミちゃん」のライブでは4回のアンコールに応え、メンバーが歌いながら涙を見せる一幕も。「本当にありがとうございました。いい思い出になった。みんなのおかげ。いつまでも私たちのことを忘れないで」「ステージに立てていろんな人に出会えた」「一生の宝物」(マイちゃん・アミちゃん)などメッセージを残した。
同社の角日出夫社長は、「たくさんの人に最後を見届けていただけた。今日ここに、50年の歴史がめでたく終了となります」とあいさつ。「マイアミー、おつかれー!」「ありがとう!」などマイアミに対する愛情のあるコールが飛び交った。
営業を終えた同社の小木曽さんは、「言葉で言い表せない達成感があった。今年は最後の年だったので期待を裏切らないお出迎えをより大切にした。950席のフルセットで客席を準備し満席になった」。「『来年どこかで営業しないの?』という問い合わせも多く、会社でも場所を探している。来年どこかでまた笑顔のおもてなしができるよう頑張っている」とも。
帰りがけの来店客から、「ガードマンさんを胴上げしなくちゃ!」という声が上がり、来店客らが12年間マイアミのガードマンを務めてきたガードマンを胴上げする一幕も。「ガードマンのおじさん、またね!」とあいさつを交わし、うれしそうな笑顔を見せていた。
最後には、店長をはじめ、スタッフ、マイちゃん・アミちゃんなどが出口に並び、帰る客を見送った。