![「月のののうさ」店主のカワカタミカコさん](https://images.keizai.biz/meieki_keizai/headline/1415338903_photo.jpg)
古民家を改装した店舗でアンティーク雑貨などを扱う「月のののうさ」(名古屋市西区那古野1)が11月16日、10年間にわたる同所での営業に幕を閉じる。
同店のある場所は、円頓寺商店街近くの蔵や石垣など江戸時代の風情が残る四間道(しけみち)エリア。このかいわいは近年、新しい飲食店やイベントなどでにぎわいを見せ始め、メディアでも特集が組まれるほど注目を集めている。「10年前と風景はあまり変わっていないけど、4~5年前からお店が増え出し、今では九州や東北からも観光で来る方もいる」と、同店を営むカワカタミカコさん。出身は岐阜県。
「いろんな人のつながりで良いお話を受けたので、次のステップへ進もう」と来春のスタートに向け、現在の店舗を閉めることを決めた。新店舗も円頓寺かいわいでオープンする予定。
カワカタさんは、円頓寺かいわいのフリー情報誌「ポゥ」(2005年11月スタート)の発行人の一人であるほか、地域の活性化を目的にした有志団体「那古野下町衆」のメンバーでイベント等の実行委員に参加するなど、同エリアと深く関わっている。
同店をオープンする前は名古屋市内の自宅を店舗に販売を行っていたが、知人からの同所を紹介された。「最初は外観、室内ともかなり傷んでいて、別の部屋はまだ住居としても使われていた」が、「街の人が長屋をきれいにして住んでいることや、街並みや古い建物、店舗の中庭を気に入って」出店を決めた。周りの店舗も今より少なく、半年~1年くらいは客が来なかったという。
イラストも手掛けるカワカタさん。「お客さんが来なくて悩んでいた際に、かいわいのマップがあればと思い、作ろうと思っていた」。そのころ、顔を合わせることが多くなっていた、円頓寺で生まれ育ったグラフィックデザイナーの高木麻里さん(現在の円頓寺商店街の理事長)も「街を盛り上げるために、街のことが分かるフリーペーパーを作りたい」という思いを持っており、当時から理事を務めていた飯田幸恵さんも加わって3人で「ポゥ」を発行した。同紙はこれからも発行を続けていくという。
「今も街づくりをやっているとは思わないけど、こんな風に街のことをやることになるとは思ってもいなかった。特に『ポゥ』と『那古野下町衆』で、いろんな人と出会うことができた」と振り返る。
営業時間は、12時ころ~18時ころ。