能楽笛方・藤田流の「藤田舞台」(名古屋市西区幅下2)で4月26日、NPO法人大ナゴヤ大学が企画・運営するイベント「オモテから。 ~舞台に生きる能面~」が行われる。
店舗や公共施設、公園などまちなかを「教室」にし、「先生」を迎え、学びやコミュニケーションを目的にしたイベント「授業」を中心に展開する同法人。
当日は能舞台で用いる面(おもて)から能について学ぶ内容で、藤田流笛方の大野誠さん、喜多流シテ方の長田郷さん、松井俊介さん、観世流シテ方の吉沢旭さん、伊藤裕貴さんを「先生」に迎える。能の歴史や物語の演者、役割など基本的な知識を知ることができ、舞台に上がり、謡(うた)、仕舞(しまい)、笛、着付け、すり足を体験できる。「違う流派の方々が集まるのは珍しいこと」と同法人スタッフ伊熊志保さん。
今回の「授業」の企画は伊熊さんと同じくスタッフの大野嵩明さんに加え、名古屋の伝統芸能や文化をテーマにしたイベント「やっとかめ文化祭」で盛り上げ役のボランティアスタッフ「やっとかめ大使」を務めた杉原芽久さん、山岸類子さん、小泉真由さん、河田朗奈さんが携わった。全員が20~30代。
「やっとかめ文化祭」に携わり、杉原さんは「難しそうなイメージがある伝統文化でも見せ方の切り口を変えると面白い」と感じ、山岸さんは「もっと面白い名古屋にするにはどうしたらいいか」と考えるようになったという。河田さんも「パルコやナナちゃん人形の前を会場にした伝統芸能の披露がすごく面白かった。若者の目に触れやすい会場だったけど反応がイマイチで残念だった」と話すなど、それぞれが思いを持って参画した。
ミーティングや勉強を通して知識を身につけ、能の魅力や企画の面白みを表現するためにアイデアをゼロからメンバーで出し合った。「すり足で競う大運動会」や「クイズ形式」などユニークな発案もあったが、「伝統芸能に対し、どこまで踏み込んでいいのか最初は分からず、先生に企画提案した際に『きれいにまとまりすぎている』と言われてしまったこともあった」と振り返る。その後、先生からも案が出るなど互いに盛り上がり、企画が完成した。
「本で見ているだけでも役柄のキャラクターがはっきりしていて愛着が湧く。体験して能を実感できると思う」と杉原さん。「能を見るだけでなく心で理解することができる。友人へちょっとした自慢になるかも」と山岸さん。河田さんは「少しでも興味のある方に知ってもらうきっかけになるのでは。同世代が集まってほしい」と参加を呼び掛ける。
参加費は500円。白足袋または白いソックスの持参が必要。申し込み方法は大ナゴヤ大学のホームページで確認できる。締め切りは今月22日。