名古屋フィル音楽監督に小泉和裕さん就任へ ラブコールかなう

次期音楽監督の小泉和裕さん(左)と、名古屋フィルハーモニー交響楽団理事長の山口千秋さん(右)

次期音楽監督の小泉和裕さん(左)と、名古屋フィルハーモニー交響楽団理事長の山口千秋さん(右)

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 名古屋フィルハーモニー交響楽団(名フィル)が9月3日、2016年4月から音楽監督に就任する小泉和裕さんを招き就任記者会見を行った。

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 小泉さんは1949(昭和24)年生まれの京都出身。1969(昭和44)年に東京芸術大学指揮科に入学し、指揮者で作曲家の山田一雄さんに師事。1973(昭和48)年に第3回カラヤン国際指揮者コンクールで第1位入賞。その後、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団など各地で指揮者として活動を続け、現在は、東京都交響楽団終身名誉指揮者、九州交響楽団音楽監督、仙台フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者、神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別客演指揮者を務める。

 2016年に創立50周年を迎える名フィル。今回の音楽監督就任は同団体として13年ぶりだという。「小泉さんにかねてより音楽監督就任へのラブコールを繰り返していた。50周年を迎える大切なときに音楽監督として迎えられ、よろこびと未来の礎(いしずえ)となることを感じている」と同団体理事長の山口千秋さん。

 小泉さんは「自宅に来ていただき、『ぜひ監督として』という要請を熱心にしていただいた」と話す。これまでの打診に対しては、その際の小泉さんの立場やスケジュールなどでかなわなかったという。「熱心さに心が動いた。ここ数年間、定期演奏会で指揮を務め、名フィルと充実した時間を持つことができていて名古屋に来ることが楽しみになっていた。年齢や自分の環境、スケジュールとしても、音楽監督をできる状況になった」と小泉さん。

 名フィルのオーケストラの状態として、定員82人の所、現在の楽員数が68人と少ないことを危惧する。「楽団員で音色を作らないと。エキストラを交えると作れない。本物の音楽を突き詰めたいという思い、もっと高度な世界へ、本物はこうなんだと、楽員たちに誇りをもってほしい」と話す。

 来年度からの50周年シーズンの主催演奏会の内容も、同団体の演奏事業担当者と綿密な打ち合わせを重ねラインアップを決めていったと。「モーツァルトやベートーヴェンなど古典を大切にしたい。古典から現代までのバランスを考えた。初心者の方でもわかりやすいものも組み込んだ」とした。7月公演の「バースデー・コンサート」(市民会館名曲シリーズ内)は、「さまざまな人に聞いてもらうために」、耳にすることは多いがオーケストラでちゃんと聞くことはあまりない、耳なじみのあるわかりやすい曲を選曲したという。

 2016年4月15日・16日は、音楽監督就任披露公演が行わる。演目はベートーヴェンの「交響曲第4番変ロ長調 作品60」、R.シュトラウスの「家庭交響曲 作品53」。

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