フリーマーケット形式の古本市「円頓寺 本のさんぽみち」が10月20日・21日、円頓寺商店街(名古屋市西区那古野1)で初開催される。
昨年、10年の節目で幕を閉じたブックイベント「ブックマークナゴヤ」の一環で同商店街を会場に行われた「ブクマ古本市」のコンセプトを引き継いだもの。普段は書店で働く田山直樹さんが代表となり、実行委員会を立ち上げた。
一昨年は客として同イベントに、昨年はブックマークナゴヤ実行委員会に参加した田山さん。「円頓寺商店街の両側にずらっとお店が立ち並ぶ。足早に店を巡る人からは『掘り出し物を見つけるぞ』という高揚感を感じたし、ふらりと立ち寄った人が興味深げに本をのぞいていたり、家族連れでぶらぶら巡っていたり、好きな本を見つけて出店者と楽しそうに話していたりと、それぞれの楽しみ方で古本市を満喫していたのが印象に残っている」と振り返る。「お客さま、出店者、ブクマスタッフ、年齢も性別も幅広い人が本をきっかけに集まり、イベントができることは、何よりすごいことだと思う」とも。
そんな古本市がなくなることになり、「あの景色が名古屋からなくなってしまうのが、本当に残念。書店で働いている自分にとってもイベントに参加できることがモチベーションにもつながっていた。ブクマ実行委員の皆さんが一から始めてあそこまで大きく育てたものがまたゼロに戻ってしまうのはあまりにもったいない」と、有志メンバーで古本市だけでも開こうと決めた。
当日は約70ブースが並ぶ。メインの個人が出店する「古本市」は50ブース弱、そのほか出版社の出店が4社、新刊書店が1店、古書店が8店出店する。食事や菓子を販売するブースも10店弱登場する。
商店街内の「円頓寺ふれあい館」では、「出会いの一冊」をテーマにイベント参加者が選んだ本をコメントを添え、並べる企画「円頓寺書店~みんなでつくる本屋さん~」も行う。商店街内の喫茶店やカフェでは、ドリンクと菓子と「本の一節が書かれた小冊子」をセットにしたメニューも販売。「ゆっくりと本を読む時間がなかなかとれない人のために、ほんの少しの間、本と触れ合ってもらうために企画した」。
「本好きな方にはもちろん、それ以上に日常的に本を読まない人や、読みたいけど何を読んだら良いのか分からない人などに来てほしい。思いもかけない本と出合い、本を読む楽しさを発見してくれれば。本を好きな人がこのイベントをきっかけに世代も性別も違うさまざまな人と知り合うきっかけにもなれば」と田山さん。「これからもほそぼそと息長く続けていって認知度を高め、いつか全国の本好きが集まるイベントになれば」とも。
開催時間は10時30分~16時。