名駅の映画館「ミッドランドスクエアシネマ」(名古屋市中村区名駅4)で6月2日、公開中の映画「小さな恋のうた」の舞台あいさつが行われ、橋本光二郎監督、出演の佐野勇斗さん、森永悠希さん、山田杏奈さん、眞栄田郷敦さんが登壇した。
人気バンド「MONGOL800」の同名楽曲をモチーフにした同作。米軍基地のある沖縄の小さな町を舞台に、高校生バンドのメンバーの青春を描く。「orange オレンジ」「羊と鋼の森」の橋本監督がメガホンを取り、佐野さんは主人公のボーカル亮多、森永さんはドラマー航太郎、映画初出演の眞栄田さんはギタリストの慎司をそれぞれ演じた。山田さんは紅一点としてバンドに参加する慎司の妹・舞を演じた。
最初に岡崎市出身の佐野さんが1人で登場。「今日は神戸、大阪、京都と回り、僕の地元愛知に帰ってきた。各会場で違うキャストがMCをしているが、最後の名古屋は僕が担当。皆さま、温かい目で笑ってください」とあいさつすると、観客から大きな拍手が起こった。佐野さんの呼び掛けで、「小さな恋のうた」が流れる中、4人が登壇し、舞台あいさつがスタートした。
森永さんは「今回は愛知県が生んだ天才・佐野勇斗が華麗なMCを披露してくれると思う」と佐野さんにプレッシャーを掛け、山田さん、眞栄田さんは「最後の舞台あいさつ。悔いなく帰れるよう、楽しんでいただきたい」、「最後になってとても寂しい。かけがえのない仲間になったメンバーと作った映画を楽しんでもらいたい」とそれぞれ観客に呼び掛けた。橋本監督は「映画がヒットして、大ヒット御礼舞台あいさつでもう一度、名古屋に来られたらいいなと思っている」と話す。
愛知県の思い出を聞かれ、森永さんは「去年の冬、撮影で栄を訪れた。ひつまぶし、天むすなど、名古屋の味覚を堪能した」と話す。眞栄田さんは「高校時代に吹奏楽部の全国大会が名古屋であった。涙も笑顔もいっぱいの思い出深い街」と振り返る。佐野さんは「僕の一押しは岡崎。有名な武将・徳川家康の出身地で、有名力士も多い。行かないと人生損をする」と故郷をアピールした。
その後、5人は観客からの質問やスタッフからのコメントに回答。橋本監督がメンバーをキャスティングした理由や、佐野さんが初めての単独主演で心掛けたことなどが語られた。
佐野さんらは、撮影、プロモーションなどで約1年を共に走り抜けた。心境を問われたメンバーは、「ここからは皆さんに投げることしかできない。皆さんの評価で、映画を大きくしてもらいたい」(森永さん)、「今日の舞台あいさつに(ベーシスト大輝役の)鈴木仁さんがいなくて残念。また5人で集まれる機会をつくりたい」(山田さん)、「今回の出会いは僕にとってすごく大きい。次につなげて、皆さんに恩返ししていきたい」(眞栄田さん)と思いを語る。佐野さんは「役者生活において、かけがえのない作品になった。皆さんに広めていってほしい」と映画の成功を祈った。
最後に橋本監督は「撮影が終わった時も悲しかったが、会っていることが当たり前と思う人たちと、ある時に別れなければいけないことがある。この映画は監督として自信がある。彼らが半年間必死で楽器を練習しながら切磋琢磨(せっさたくま)し合い、関係性をつくり、バンドになり、沖縄で1カ月半を過ごした、その全てが詰まっている。映画の中に彼らが生きている姿を見てほしい」と呼び掛けた。
ミッドランドスクエアシネマほかで上映中。