名古屋を中心にしたローカルウェブメディアが現在、新型コロナウイルス感染症による影響を受け、テークアウトやデリバリーができる飲食店や自宅での過ごし方提案などの情報を発信する新企画を独自に始めている。
東海のローカルマガジン「月刊KELLy(ケリー)」などを発行する「ゲイン」が昨年11月に始めたウェブメディア「日刊KELLy」は4月4日から、特集「おうちでおいしく応援」をスタート。「おうちで・おいしく・おうえん」に由来する「三(さん)お」を合言葉にする。編集部の村瀬実希さんによると「いつもお世話になっている飲食店のSNSで営業形態が変わっていくのを拝見し、何か協力できないかと考えた」という。過去に取材した名古屋を始め東海三県の飲食店を中心に、自宅で過ごす時間が充実し「ちょっと気分が上がること」を軸に、テークアウト・デリバリー・取り寄せできる食事やおやつを掲載。「インスタグラムで『#おうちでおいしく応援』の投稿を募集し、フォロワーの皆さんと情報交換できるようにもしている」とも。
名古屋を中心に東海エリアのカルチャートピックを紹介・提案するウェブマガジン「LIVERARY(ライブラリー)」は今月8日から、「家での過ごし方とカルチャー」をテーマにしたテークアウト情報を集めたコラム連載「#STAYHOME_WITHCULTURE」を始めた。編集部の武部さんは「イベント情報の発信がメインのLIVERARYとしては機能停止しかけていたが、この状況下だからできることを考えテーマを定めた」と話す。「LIVERARY周辺のカルチャーのにおいがする」名古屋エリアの人気店を中心にテークアウト情報を扱う。花とデザインの店が始めた花のデリバリーを紹介した記事や、ライブハウス救済のための無観客配信ドネーションライブの発信など飲食店以外も「#STAYHOME_WITHCULTURE」をタグ付けし発信している。「カルチャーを支える店や人は業種問わずたくさんいる。タグでつながることでジャンルを超え助け合い支え合う流れをつくれたら」とも。
名古屋で暮らす人に向けた情報発信を行うローカルメディア「名古屋情報通」は今月12日から、テークアウト販売を行っている飲食店が情報発信に活用することを目的にしたハッシュタグ企画「#なご通テイクアウト」を開始。編集長の林大輔さんは「当編集部がセレクトした情報発信は需要のスピードに追い付かないと考え、飲食店に発信を協力いただくことでより多くの情報を集め、閲覧できる方法を取った」という。名古屋のほか東海エリアでテークアウトに対応している飲食店が「#なご通テイクアウト」を付け投稿することで参加できる。詳しい参加方法や推奨する掲載内容などは名古屋情報通のサイトで確認できる。
「窮地に陥っている飲食店を応援したいのはもちろん、料理ができない人が簡素な食事に飽きストレスになったり、昼食を毎日用意する必要が出てきた主婦などが生活ペースを崩したりすることも想定される。テークアウトメニューはこれからも需要が高まると考える」と林さん。今後は「無理のない程度」に編集部がチョイスした飲食店でテークアウトしたメニューを記事やSNSで情報発信する予定。
このほかの東海エリアのローカルウェブメデイアも、それぞれテーマを設け工夫し情報発信を行っている。