「ナゴヤキャッスル」元社長の越川健一郎さんが12月21日、書籍「わたしのナゴヤキャッスル物語」(風媒社)を出版した。
「わたしのナゴヤキャッスル物語」の著者で「ナゴヤキャッスル」元社長の越川健一郎さん
ナゴヤキャッスル(本社=名古屋市中区錦3)は、今年10月1日から建て替えのため休館している名古屋城前の「ホテルナゴヤキャッスル」や名古屋駅前のホテル「キャッスルプラザ」、レストランなどを経営する。
越川さんは社長就任前、34年間、毎日新聞社に務めていた。毎日新聞東京センター社長、毎日新聞社常務執行役員歴任後、2012(平成24)年6月~2018(平成30)年6月、ナゴヤキャッスル社長、その後、今年6月まで相談役を務めた。
同書を書く理由の1つは、毎日新聞社からホテル業界に転身する際に受け取った同新聞社の先輩からの言葉だという。越川さんによると「敬愛する先輩から、新聞記者とホテル経営者の2つの仕事ができることは得難い体験になる。印象に残る出来事は記録しておき、退職したら本にまとめたらいい。ホテルに行っても新聞記者魂は忘れるな」と言われ、「その約束を果たしたかった」という。
2つ目の理由は、ホテルナゴヤキャッスルの休館に合わせ、8年間共に働いた同ホテルの仲間の「キャッスル愛」を地元・名古屋の読者に伝えたかったこと。「ナゴヤキャッスルの仲間は『謙虚さを持った誇り高き集団』」と越川さん。ホテルナゴヤキャッスルの休館、キャッスルプラザの閉館(2021年3月=予定)を控え、新たな職場や道を求めていくことを考える同ホテル正社員やアシストスタッフに向け、「心の中に先輩から引き継いだキャッスル・スピリット、遺伝子を刻み込んで強く生きていってもらいたいと思った」とも。
同書では、越川さんが感動した出来事、心震えたエピソード、尊敬に値する人物を中心に描いたという。プロローグ「新聞記者がホテルの社長?」に始まり、「車両2000台を覚えた先輩がいた」「門松飾りに込めたOBの想い」「皇太子ご夫妻送迎のプロトコル」「名物シェフの“追っかけ”紳士」「信州の痛みを背負った力士」など、多様なタイトルが並ぶ。
書名「わたしのナゴヤキャッスル物語」は風媒社編集長が考えたもので、「本の中には新聞記者時代の出来事や個人的な感懐も含まれている。『元ブンヤ』の目で見たナゴヤキャッスルの仲間の奮闘ぶりを描いたストーリー構成になっているため、とても気に入っているタイトル」と話す。
ナゴヤキャッスルファンのほか、名古屋のシンボル「名古屋城」を愛する市民、キャッスルOBや仲間その家族、かつて名古屋で勤務した人など、「多くの方に読んでほしい」と話す。
価格は1,760円。