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「中川運河ギャラリー」がオープン1年 展覧会やトーク、ワークショップ展開

「中川運河ギャラリー」メンバーのクレメンス・メッツラーさん(中川運河ギャラリー前で)

「中川運河ギャラリー」メンバーのクレメンス・メッツラーさん(中川運河ギャラリー前で)

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 中川運河沿いの松重閘(こう)門近くにある「中川運河ギャラリー」(名古屋市中川区西日置2)が7月10日、オープン1周年を迎えた。

「中川運河ギャラリー」屋上から望む松重閘門と中川運河

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 昭和30年代は物流の一大拠点として活躍した中川運河。周りには大型倉庫などが立ち並ぶ地区も残っている。2013(平成25)年から、ささしまライブ地区の堀止めから松重閘門周辺を対象にした「にぎわいゾーン」の魅力向上を目指し、助成金を活用した市民交流・創造活動につながるアートプロジェクトなど、さまざまな活用や取り組みを展開してきた。

 同ギャラリーは、道を挟んだ向かい側で2020年まで営業していた「森石油」のガソリンスタンドの事務所として使われていた2階建てのビルを活用したもの。2013年から同社社長の森茂樹さんが当時使っていなかった2階部分をアーティストに提供し始め、同運河の水辺空間や歴史、自然を再発見する参加型の「中川運河リミコライン・アートプロジェクト」の拠点としても活用され、さまざまなイベントが行われてきた。

 ガソリンスタンド閉店後にギャラリーを作りたいという森さんの思いに、アートプロジェクトメンバーや森さんの友人、運河周辺の地域住民が協力し、ギャラリーオープンにこぎ着けた。改装工事や現在の運営もさまざまな人がボランティアで携わっている。

 同アートプロジェクトに携わり、グラフィックデザイナーやイラストレーターとして活動するドイツ出身・愛知在住のクレメンス・メッツラーさんは1年を振り返り、「大変だったが、面白い企画をたくさんできたと思う」と笑顔を見せる。メッツラーさんは、準備期間中からギャラリーの内装イメージや展示内容の企画などをプロデュースする役割を担い、現在も毎週火曜に在廊し、展示内容の企画に携わるほか、5月に名古屋市の「地域まちづくり活動団体」に同ギャラリーを登録し、代表を務めている。

 メッツラーさんによると、同ギャラリーでは1年間で同運河をテーマに11の展覧会やトーク、ワークショップ、街案内散歩などの企画を行った。毎回平均で100人程度の来場があったという。アートのためだけではなく、さまざま人が集まれる拠点とし、情報発信するという考えで運営する。「運河沿いで働いていた人、運河の歴史や文化、ものづくりのまちの名古屋に大きく関係しているなど、ストーリーがある。運河は細長い港。今では古くなり使われなくなったが、鉄さびは目に面白く映るし、手入れされていないワイルドな緑、水辺などの組み合わせはほかにない面白さだと思う」(メッツラーさん)と話す。

 「ギャラリーができたことで、人が集まれる場所となり、興味を持って来てくれる地元の人も増えた。古くてもきれいでなくても、自身の故郷に興味を持って意識してみると特別に感じることができる」とも。卒論研究のために訪ねてきたり、同運河を題材にした卒業作品を展示したり、学生が関わることも増えたという。「中川運河周辺について相談をしにきやすい場所になれた一方、知名度はまだまだ低い。良い企画を行えていると思うので、より多くの人に中川運河ギャラリーを知ってもらいたい。関わる人も増えるとうれしい」とメッツラーさん。

 現在は、写真活動を行う地元の人によるフィルム手焼き写真展を開催している。火曜・金曜・土曜・日曜の11時~18時。入場無料。今月30日まで。8月4日・5日には子ども向けワークショップを行い、9月3日まで作品展示を行う企画も予定。

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