名古屋を拠点に活動するグループ「BOYS AND MEN」(ボーイズアンドメン)の勇翔さん、辻本達規さん、本田剛文さん、平松賢人さんが出演する映画「SOMEDAYS」が10月6日、ミッドランドスクエアシネマ(名古屋市中村区名駅4)で先行公開される。公開に先立ち、勇翔さんら4人とヒロインを演じた西尾まうさんが名古屋で見どころを語った。
「SOMEDAYS」は、児童養護施設で家族のように育った5人の若者が、ヒップホップグループを結成し、さまざまな人々との絆を結んでいく青春ドラマ。西尾さんと勇翔さんが姉と弟役でダブル主演を務める。出演は他に西村知美さん、東ちづるさん、渡辺徹さんら。「カメラを止めるな!」で撮影監督を務め、「透子のセカイ」「永遠の一分」などを手がけた曽根剛さんがメガホンを取った。
西尾さんが演じる香は、幼い時に離れた母を思いながら、さまざまな家族の絆をつないでいく。「知らないからこそ、こうあってほしいという思いを真っすぐ伝えることができる子で、相手に気付いてもらえる。自分との共通点は真っすぐな性格ぐらいなので、脚本、せりふを大切に役作りしていった」と西尾さん。共演したボイメンのメンバーについては「すごく気持ちのいい人たち。いろいろなことに気付いて、誰にでも優しく声をかけてくれる。私自身はポンコツなので、変に取り繕わずに、4人に支えてもらった」と話す。
「口数が多くないのは自分に似ている。共感できる部分が多くて、演じやすかった。少し後ろから皆を見守る目線があって、弟だけど、感覚的には長男のようでもあった」と寡黙だが優しい弟・勇人を演じた勇翔さん。夢を追いかける若者たちのドラマについて、「ボイメンも一つ一つの仕事に一生懸命取り組んで、つながっていった。劇中で徐々に仕事が増え、皆で喜んでいるシーンは、テンションが昔と重なった」と振り返る。
駐車場での練習から観客を集めてのステージまで、さまざまなダンスシーンが描かれる本作。「クランクインの前の練習では振付を覚えきれず、それぞれ持ち帰った。劇中の練習するシーンでは、撮影しながら実際に教え合ったりした。皆の表情や、お客さんが入った時のボルテージの上がり方も、全てにおいてリアルになった」とチームのリーダー光を演じた平松さん。西尾さんのダンスについては、「そもそもボイメンが、ダンスの技術で売らないパッションでカバーしていく気持ち先行型グループ。西尾さんも気持ちでぶつかってくれたので、温度感がしっかり合った」と絶賛する。
軽そうに見えてナイーブな洋介を演じた本田さん。曽根監督について「僕らの生の感情を大事にしてくれる監督。気持ちを訴えかけるシーンでは、台本通りに覚えなくてもいいから感情を吐き出せと言ってくれた。アドリブで撮ったシーンも多く、僕らのキャラクター一人一人に生きている感じが宿ったのは、監督のディレクションのおかげ」と信頼を寄せる。
「役柄もあって、常にスタッフらを盛り上げた」とチームや出会う人々に元気を与える良太を演じた辻本さん。静岡県の温泉施設に泊まっての1週間の撮影では、積極的にロケ地の人たちとも交流。「撮影場所を貸してくれたイチゴ農家の方に、出荷するような大きな段ボール1箱分のイチゴをもらった。監督はイチゴが大好きなので、撮影中ずっと食べていた」と思い出す。
会見の最後に「この作品には、いろいろな家族が出てくる。勇人たちのように、血がつながっていなくても家族のように仲が良いという生き方もある。この映画を見て、家族の愛情を改めて考えてほしい。できれば一人ではなく、家族で見てもらえたら」と勇翔さん。西尾さんは「この映画で、当たり前だと思っていたことは、そうではないと気付けた。頭でっかちになって夢をあきらめるより、肩の力を抜いてやりたいことをやってもいいんだというメッセージがある。皆さんにも感じてほしい」と話し、映画館への来場を呼びかけた。