愛知淑徳大学(名古屋市千種区桜ヶ丘23)で12月18日、「ゾンビ映画」をテーマに映像表現文化を学ぶ公開講義が行われた。
同企画は、愛知淑徳大学文化創造学部の視聴覚表現授業の一環で、ゲストとして名駅の映画館「シネマスコーレ」(中村区椿町8)スタッフの坪井篤史さんが12月11日と18日の2回にわたり講師を担当した。坪井さんは、独自の視点から集めたホラーやミステリーなどの「カルト映画」を同館で上映する企画「NAGOYAアメージング&カルト映画祭」「名古屋でらファンタ映画祭」を開催したり、インターネットでコラム「ドービー・ツボイのアメカルレクチャー」を連載するなど、アメカル映画通としても知られるスタッフの1人。坪井さんは「『ゾンビ映画』から読み取る映像表現文化」と題し約90分の授業を展開、同学部の生徒ら160人が出席した。
2回目の授業となった当日は、「死霊のはらわた」「ブレインデッド」などサム・ライミやピーター・ジャクソンが描いた「ゾンビ映画」の映像を交えながら、「残酷描写を笑いに変え、観客を興奮させる映像表現」などをユニークな視点から考察。1回目の授業で講義したジョージ・A・ロメロの「ゾンビ映画」4作品の中で描かれた独特のアメリカ社会批判に影響を受けて、ロメロ作品のオマージュとして作られた「28日後…」「ショーン・オブ・ザ・デッド」の映像を比較し、「ゾンビ映画」の新しい映像表現やイギリス社会批判を表現したシーンなどを説明し、出席した生徒らから何度も笑いが起こる一幕も。また、坪井さんは今年11月に公開された「ゾンビーノ」を例に挙げ、「映画の舞台を1950年代に設定しアメリカの人種差別などを批判していること、ゾンビと人間の共存、少年との友情など『ゾンビ映画』自体が強いメッセージ性を持ち、新しい映像表現が他の作品に影響を与えている」と考察した。
参加した生徒は「ホラー映画は苦手なので、最初は不安だったが、説明がとても面白かったので映画にも興味が持てた」と話しており、同学部の角田教授は「視聴覚表現の一例として、初めて映画をテーマにした授業をお願いしたが、大変面白い内容で興味深かった」と話している。
授業を担当した坪井さんは「どんな映画でも、見方によってはとても笑えるシーンや、強いメッセージが込められている。特に『ゾンビ映画』はその影響が強く出ていて面白い。さまざまな視点から映画を見ることで、もっと映画に興味を持ってくれたらうれしい。次回は怪獣映画などをテーマにした講義などもやってみたい」と意欲を見せる。
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