【会期】 2025年4月17日(木)~9月30日(火)
【会場】 INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
【URL】 https://livingculture.lixil.com/ilm/see/exhibit/itayaumeki/
株式会社LIXIL(以下LIXIL)が運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」(所在地:愛知県常滑市)では、2025年4月17日(木)から9月30日(火)まで、企画展「昭和モダーン、モザイクのいろどり―板谷梅樹の世界―」を開催します。本展では清新な色彩と可憐な意匠にあふれる板谷梅樹のモザイク作品約80点を、その源流となった父・板谷波山の陶片とともに紹介します。
昭和モダンのアートシーンを飾ったモザイク作家・板谷梅樹(いたやうめき/1907‐63)。かつての日本劇場(以下、日劇)のモザイク壁画、瀟洒(しょうしゃ)な飾箱や飾皿、帯留やペンダントヘッドなど、絵画や模様を表出した独特のエキゾチックなモザイク作品は、どれも清新な色彩と可憐な意匠にあふれています。近代陶芸の巨匠・板谷波山(いたやはざん/1872‐1963)の息子であった梅樹は、父が砕いた陶片の美しさに魅了され、20代半ばから陶片を活用したモザイク画の制作を志します。その代表作は日劇一階玄関ホールの壮大なモザイク壁画(※)でした。現在まで残された作品は多くはありませんが、近年その再評価の機運が高まっています。
本展は、これまであまり目に触れられることのなかった梅樹作品を一堂に集めた展覧会です。鮮やかなモザイク画から日常をいろどる工芸品まで、緻密な手作業によって生まれた作品の数々を紹介します。また当館では、波山の陶片を一部所蔵していることから、梅樹独自のモザイク技法と色彩豊かな表現につながった波山の陶片にもスポットをあてます。カラリストとも称された梅樹が生み出すモザイクの世界とその源流へと誘います。
※1933年作、原画:川島理一郎、 現存せず
企画展 昭和モダーン、モザイクのいろどり ―板谷梅樹の世界―
SHOWA MODERN, An Introduction to Umeki Itaya
【会期】2025月4月17日(木)~9月30日(火)
【会場】INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1-130 TEL:0569‐34‐8282 FAX:0569‐34‐8283
【休館日】水曜日(4/30、8/13は開館)
【観覧料】共通入館料にて観覧可(一般:1000円、学生:800円、中・高生:500円、小学生:250円/税込)
【主催】INAXライブミュージアム
【企画】INAXライブミュージアム企画委員会
【監修】荒川正明(学習院大学教授)
【協力】公益財団法人 波山先生記念会、板谷波山記念館、公益財団法人 泉屋博古館
【展示デザイン】+建築設計 田代朋彦
【ポスター・フライヤーデザイン/会場グラフィック】関田浩平
【URL】https://livingculture.lixil.com/ilm/see/exhibit/itayaumeki/
■本展の構成/見どころ
3部構成となる会場は、I章とII章の展示空間の間を、色ごとに並べた陶片のステージ(III章)がまっすぐに貫きます。各章どちらの空間からも、原点といえる父・波山の陶片を垣間見ることができ、独自の世界観を築き上げた梅樹のものづくりの背景を感じながら作品鑑賞できる構成です。会場奥には、デザイン性に富み色彩豊かなモザイク画を並べ、入口からは本展のメインビジュアルとなる《鳥》が正面に見えるように配置されています。
■第I章「モザイクの世界で」
梅樹は父・波山が砕いた陶片の美しさに魅了され、子どもの頃から陶片を色々な形に砕いたり、寄せ集めて遊んでいたことがモザイク画制作のきっかけとなった、と語っています。出世作ともいえる日劇のモザイク壁画(1933年)は、波山の白磁・青磁の陶片をアクセントに、さまざまな陶片・ガラス片を用いて制作されました。戦前の作品の多くは、陶片表面の釉薬部分のみを剥ぎ取り組み合わせた独創的な技法でつくられ、豊かな表情を醸し出しています。戦後は陶片が思うように手に入らなくなり、タイル片を用いた作品づくりを始めます。時代によって異なる作品の趣とともに梅樹が目指した美しいモザイクの世界をご覧いただけます。
写真提供すべて:板谷波山記念館
■第II章「日常にいろどりを」
梅樹は、生涯を通じてモザイク画のみならず、日常をいろどる身近な作品を制作しました。ブラジルから帰国した昭和2(1927)年、父と同期だった小川三知(おがわさんち/1867‐1928)のもとで、アメリカ式(ティファニー方式)ステンドグラスを学びます。後にランプシェードを波山の辰砂(しんしゃ)(※)の作品を台座に制作し、父との共作となる貴重な逸品が誕生しました。また、関東大震災を契機に鉄筋コンクリート造の住宅が増え、家具や工芸デザインに注目が集まった昭和初期には、煙草箱や灰皿などを制作します。戦後、銀座・和光にて販売した和装用の帯留、洋装用のペンダントなどのモダンなアクセサリーは、現在でも色あせることなくその輝きをとどめています。
※銅を着色材として赤く発色する釉薬
写真提供:特記以外/板谷波山記念館
■第III章「制作の原点」
梅樹の父・波山は、理想の作品づくりのためには一切の妥協を許さず、端正で格調高い作品を数多く手がけました。波山の田端旧宅からは、彼が明治39(1906)年に構築した窯跡が発掘され、おびただしい陶片が発見されました。焼き損じた作品を自ら割り破棄したもので、幼い梅樹が手にとって遊んだ陶片群です。当館でも波山の陶片を一部所蔵していることから、これらの美しいかけらにもスポットをあてます。大正時代の葆光彩磁(ほこうさいじ)(※)、昭和時代の青磁・白磁などの陶片を色別に紹介し、梅樹の色彩センスの源流を辿ります。さらに梅樹の制作技法を図解し、使用した道具類と合わせて紹介するほか、同じく窯跡から発見されたモザイク片やステンドグラスの材料となる素材類も披露します。
※波山による独創的な釉薬技法による作品で、薄絹を被せたようなマットな質感を特徴とする。
1.~4.はすべて田端旧宅の窯跡から発見された 撮影すべて:佐治康生
■関連企画
講演会「希代のカラリスト・板谷梅樹モザイク画の魅力」
講師:荒川正明(本展監修者・学習院大学教授)
開催日時:2025年7月19日(土)14:00‐15:30
場所:講義室(INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」1階)
参加費:無料(ただし入館チケット要)
定員:30名
※お申込み方法などの詳細については当館ウェブサイトをご覧ください。
【内容】
板谷波山研究の第一人者であり本展監修者の荒川氏に、梅樹がモザイク画を制作するきっかけとなった父・波山の陶片について、またそれらを駆使してモザイク画を制作した梅樹の独自性や美しさ、作品の魅力について語っていただきます。
■図録『昭和モダーン、モザイクのいろどり―板谷梅樹の世界』
板谷梅樹の作品74点を収録した公式図録。判型A5サイズ、カラー64ページ(概説含む)
執筆:荒川正明(学習院大学教授)、板谷駿一(公益財団法人 波山先生記念会理事長)ほか
発行:公益財団法人波山先生記念会 板谷波山記念館、公益財団法人泉屋博古館 泉屋博古館東京
本体価格:1,800円(税込)
■INAXライブミュージアム概要
所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569-34-8282
休館日:水曜日(4/30、8/13および祝日は開館)、年末年始
共通入館料:一般:1000円、学生:800円、中・高生:500円、小学生:250円/税込
ホームページ:https://livingculture.lixil.com/ilm/
Facebook:https://www.facebook.com/LIXIL.culture
Instagram:https://www.instagram.com/lixil_inaxmuseums/
やきもの製品のテクノロジー拠点、愛知県常滑市にLIXILが開設する文化施設。「窯のある広場・資料館」「世界のタイル博物館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「やきもの工房」の6館からなる“体験・体感型ミュージアム”。2025年4月17日に日本のトイレ文化を発信する「トイレの文化館」を開設予定。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。
About LIXIL
LIXILは、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。ものづくりの伝統を礎に、INAX、GROHE、American Standard、TOSTEMをはじめとする数々の製品ブランドを通して、世界をリードする技術やイノベーションで、人びとのより良い暮らしに貢献しています。現在約53,000人の従業員を擁し、世界150カ国以上で事業を展開するLIXILは、生活者の視点に立った製品を提供することで、毎日世界で10億人以上の人びとの暮らしを支えています。
株式会社LIXIL(証券コード: 5938)は、2024年3月期に1兆4,832億円の連結売上高を計上しています。
LIXILグローバルサイト:https://www.lixil.com/jp/