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シネマスコーレで中川運河が舞台のオムニバス映画-監督4人が会見

オムニバス映画「Moosic in 中川運河」を手掛けた、(左から)ウィリアムズ監督、宮本監督、井上監督、安藤監督

オムニバス映画「Moosic in 中川運河」を手掛けた、(左から)ウィリアムズ監督、宮本監督、井上監督、安藤監督

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 名駅の映画館「シネマスコーレ」(名古屋市中村区椿町8)で2月22日、名古屋港と笹島貨物駅(現あおなみ線ささしまライブ駅南方付近)を結ぶ中川運河を舞台にしたオムニバス映画「Moosic in 中川運河」が公開される。公開に先立ち監督4人が会見を開いた。

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 中川運河の魅力を向上させることを目的とした「中川運河再生文化芸術活動助成事業」の一つとして製作された同作品。永瀬正敏さんら有名俳優のほか、市民からも出演者を募集。4本全て中川運河でのロケを行って製作された。「Moosic(ムージック)」はムービーとミュージックを掛け合わせた造語で、全作品が音楽に満ちた映画になっている。

 作品は以下。運河の巨大海獣伝説でまちおこしを計画する住民の奔走を描く「運河の伝説」(ジョン・ウィリアムズ監督)。音楽の楽しさを見失った学生が人々との触れ合いで大切なことを思い出していく「はこぶね」(安藤愛子監督)。爆音ハードコア・ポップバンドTADIO(タッジオ)を追う異色のドキュメント風映像「NOBIDORANDO」(宮本杜朗監督)。人のいなくなった運河沿いの廃工場でいかだを作る男女を描く「いきもののきろく」(井上淳一監督)。

 企画・プロデュースの木全純治さんは「10年間かけて中川運河一帯を文化地区にしようという構想の事業の一つ。井上監督には企画の段階から参加してもらっている。ウィリアムズ監督は以前名古屋に住んでいて、デビュー作もこの街で撮った人。安藤監督はNHK文化センターで行っている映画制作ワークショップからの抜てき。宮本監督は音楽をしっかり絡めた映画を作れる人として推薦してもらった」と各監督を選んだ経緯を語る。

 4人の監督は「名古屋に住んでいた頃は毎日電車から運河を見ていて、いつか映画に撮りたいと思っていた。なかなか機会がなかったので、とてもうれしい。軽い感じの中に、歴史も感じられる作品を目指した」(ウィリアムズ監督)。「運河沿いを一日中歩いて、どんな作品にするか考えた。有名な鈴木バイオリン製造や橋の上で偶然すれ違った女子高生などから物語を作っていった。映画のために曲を作り、音楽をその場で演奏してもらうことにこだわった」(安藤監督)。「名古屋を訪れるのは2回目だが、運河の風景に魅力を感じた。人の出会いと、場所の出合いを大事にした作品。音楽を特に意識した映画なので見どころになっていれば」(宮本監督)。「元映画青年なので、小栗康平監督の『泥の河』のロケ地で撮れることに感慨があった。名古屋市の中心にあって、まるで忘れ去られたように見える運河が、今の忘れやすい日本人の姿と重なる気がした。ご当地映画が増えているが、そこからはみ出した面白い映画になるよう腐心した」(井上監督)と、それぞれ見どころを語った。

 予算、撮影期間など苦労も多かったが、地元の人々との映画作りは楽しかったと口をそろえる4人。エキストラで出演した人の実際の結婚式でミュージシャンが演奏するなど、さまざまなつながりが生まれたという。最後に4人は「映画を楽しんで見てほしい」と来場を呼び掛けた。

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