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名古屋のどて煮店舞台の漫画「トラとミケ」6巻 テーマは「生涯の生きがい」

百貨店の屋上遊園地で遊ぶ姉妹「トラ」と「ミケ」が表紙の「トラとミケ たのしい日々」

百貨店の屋上遊園地で遊ぶ姉妹「トラ」と「ミケ」が表紙の「トラとミケ たのしい日々」

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 名古屋のどて煮店を切り盛りする猫の姉妹「トラ」「ミケ」が主人公の漫画の「トラとミケ」の第6巻が8月1日、発売された。

敬老会「にゃーディアン」のメンバーが登場するページ

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 小学館発行の女性週刊誌「女性セブン」に連載中のねこまきさんの漫画作品をまとめた単行本。ねこまきさんはイラストレーターで、名古屋を拠点に活動する。

 1巻は2019年に発行。今巻で累計部数が11万部を超えた。作品は季節に合わせた12話に分けてつづられている。主な舞台は、他界した父親から受け継ぎ姉妹が切り盛りするどて屋「トラとミケ」。トラ・ミケ姉妹や店の常連客など個性豊かな登場「猫物(人物)」が織りなす日々のできごとが描かれる。

 「巻数を重ねる度に登場猫物のキャラクターが際立ってきている。ファンの『推し』もさまざま」と同作担当で編集者の橘高真也さん。6巻は発売して1週間がたたないうちに重版が決まったという。

 「80歳。青春真っ盛り!」の帯を付ける6巻のタイトルは「たのしい日々」で、橘高さんによると、テーマは「生涯の生きがい」。大人になると心配や困難なことがあり、子どもの頃のように純粋に楽しいと思えることが少なくなると感じるが、「たのしい日々」は過去だけではなくこれから先にもたくさんあるという祈りのようなメッセージを込めたという。カバーをめくると現れる本体表紙には、子どもの姿のトラ・ミケ、登場猫物が遊園地を楽しむ様子が描かれている。「鬼平犯科帳」が愛読書の町内会会長らが集まる敬老会「にゃーディアン」のメンバーが新たに登場する物語は、家にいると居場所がなく肩身が狭いと感じている高齢者が人助けをするところから始まる。人の役に立つことに幸せを感じたメンバーが間借りした昼間の「トラとミケ」で相談所を開き、困り事を解決することで生きがいを取り戻していくが、メンバー自信が困り事を抱えるようになってしまうという。

 「自分自身、今は仕事をしていて忙しく過ごしているが、仕事を辞めた後はどのように日々を過ごすのだろうと考えると、心もとないことばかり。人生の喜びや楽しみについて考えながら読んでもらえれば」と橘高さん。敬老会メンバーがハロウィーンの仮装で街を練り歩き人生相談を受けるシーンについては、「高齢のメンバーが人生を楽しむ様子は必見。ねこまきさんの遊び心が詰まっている」と話す。作中の喫茶店で働く「レイちゃん」の見合いを描く話については、「父親が娘に結婚相手を選ぶポイントを語りかけるシーンで、娘を思う気持ちが切々と描かれていてほっこりする。娘を持つ父親は涙なしには読めない」と話す。

 仕様はA5判。184ページ。価格は1,485円。

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