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名駅で若手手描き友禅染作家・水野可菜さんの催事 図案から手がけた帯・着物

名古屋を拠点にする若手の手描き友禅染作家・水野可菜さん

名古屋を拠点にする若手の手描き友禅染作家・水野可菜さん

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 名古屋を拠点にする若手の手描き友禅染作家・水野可菜さんの催事が8月28日、ジェイアール 名古屋タカシマヤ(名古屋市中村区名駅1)11階「きものサロン」で始まった。

スカジャン姿の柴犬や一筆描きで表現したネコの図案の帯

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 水野さんは1995(平成7)年生まれ。屋号「水ノ友禪(ゆうぜん)工房」を掲げる。木工家具職人の祖父に憧れ、進路を考えた中学3年で手仕事や伝統工芸で調べ手描き友禅染の存在を知る。水野さんは「白い生地が色鮮やかに変わっていくプロセスに魅了され、志すことを決めた」と振り返る。その後、メディアで知った名古屋の染色職人に手紙で思いを伝え、工房に作業見学に行くようになり、「職人世界の厳しさも教えてもらった」と水野さん。高校卒業後、京都の染め工房に住み込みで働き始めると同時に京都市産業技術研究所の伝統産業技術後継者育成研修のプロ育成コースも受講。京都で5年半過ごし、2019年に地元名古屋に拠点を移し、作品作りに励んでいる。

 百貨店では初出展という今回は着物40点、帯60点などを展示販売。野鳥「シマエナガ」をモチーフにした図案の帯と小紋、好きだったというスカジャンと柴犬を組み合わせたデザインの帯、一筆書きのネコ、ト音記号が浮かび上がるカメレオンの図案など。自身の結婚式で着た111匹のチョウが染められた引き振り袖(非売品)も展示する。クリームソーダや動物の肉球、ネコやチョウなどの図柄の帯留めも用意する。全て図案から手がけているという。

 「手描き友禅染は20以上の工程を手作業で行う。のりと染料を駆使して作る、細かい表現やぼかしが魅力。かわいらしいモチーフから絵画的なものなど幅広く表現できる」と水野さん。たくさんの「シマエナガ」が描かれている着物は「一つずつ表情も違う。アナログの良さがある」。

 「伝統工芸、手描き友禅というとフォーマルなイメージもあるが、自分が作るようなかわいい図案も見てほしい。色合いもぴったりな表現ができない。実物を見に来てほしい」と呼びかける。「手描き友禅染業界の平均年齢は65歳。29歳の職人もいることで若手にも希望を感じてもられえれば。名古屋から発信して着物人口を増やし、文化力を盛り上げていきたい」とも。

 8月31日・9月1日は配色や「色挿し」が体験内容の友禅染めワークショップも行う。各日10時30分と14時の2回。定員は各回2人。所要時間は約2時間。参加費は4,400円。

 営業時間は10時~20時。9月3日まで。10時~18時は水野さんが在廊する。

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