3月31日で閉館する名駅前の映画館「ピカデリー1・2・3・4」で3月29日、「大ナゴヤ大学」の授業「名駅ピカデリー1・2・3・4 閉館記念”ありがとう ピカデリー” ?映画館関係者が熱く語る だから映画はやめられない!?『果てしない映画への愛』」が開催された。(名駅経済新聞)
「街中がキャンパス」「誰でも先生、誰でも生徒」をテーマに活動をする「大ナゴヤ大学」。当日は、同館最後の支配人森さんと名駅西の映画館「シネマスコーレ」の坪井さんが「先生」となり、600席の大きな劇場で「授業」を行った。
内容は、森さん・坪井さんがセレクトした映画の「つっこみどころのある」おかしなストーリーや設定を、2人のマニアックな目線で見た解説を加えて紹介するもの。当日は200人以上の参加者が集まり、笑いが起きるなど盛り上がりを見せた。
名古屋を舞台にしたハリウッド映画では、オープニングから名古屋の街並や名古屋城が登場し、名古屋だとわかるロケーションに、「まさかこんなところでと驚き、ハリウッド映画にもかかわらず親近感がわいた」(大ナゴヤ大学学長の加藤さん)。ストーリーの中では新幹線車内で忍者と格闘する「ありえない」光景もあったという。中日ドラゴンズをメーンにしたハリウッド映画には高倉健さんが監督役で出演。中日球場での巨人戦で乱闘シーンや、懐かしいジェット風船、3万5千人の観客はエキストラを用意したといい、「この中にも昔エキストラで出演したのでは」と坪井さん。「まじめに撮っているのだが笑ってしまうようなズレのあるストーリー。それも味。今こうして見直して再発見をする、これも映画の見方」とも。
続いて、今ではなくなってしまった「2本立て」の魅力について、2人がそれぞれ選んだ過去に上映された2本立てを当時の新聞広告と映像で紹介。「スーパーマン4」と「死霊のはらわた2」を選んだ森さんは、「ピカデリーが超満員だった時代。大人気だったスーパーマン4を通路に座って見た。2本目の『死霊のはらわた』は観客がさーっと引いていった。あのころヒヤヒヤして見たが、今見るとすごい演技だったことに気付く」。「2本立ての醍醐味(だいごみ)は発見の喜びと驚き。この劇場で何度も出会ってきた。最後のピカデリーで再現できた」とも。
最後のあいさつで、森さんは「まさか最後の支配人になるとは。自分でしかできないことを模索してきた。今回の大ナゴヤ大学での授業もその一つ。どこの劇場でもこんなことはできない。思い出を持って帰っていただけるとこの劇場が一番喜んでくれる」と締めた。
イベントの様子は「大ナゴヤ大学」サイトで今後掲載を予定する。