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映画「のぼうの城」-野村萬斎さん・上地雄輔さんが来名、作品をアピール

来名した野村萬斎さんと上地雄輔さん

来名した野村萬斎さんと上地雄輔さん

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 名駅の映画館「ミッドランドスクエアシネマ」(名古屋市中村区名駅4、TEL 052-527-8808)などで11月2日から映画「のぼうの城」が全国公開されるのに先立ち、出演する野村萬斎さんと上地雄輔さんが来名し、会見を開いた。

成田長親公四百回忌特別法要に参列した萬斎さんと上地さん

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 「のぼうの城」は175万部のベストセラーの和田竜さんの同名時代小説の映画化。戦国時代、天下統一を目前にした豊臣秀吉が送りこんだ石田三成率いる2万人の大軍に、わずか500人で対抗した実在の武将・成田長親の戦いを描く時代劇大作。

 萬斎さんは、領地の農民たちから「のぼう様(でくのぼう)」と呼ばれながら不思議な人柄で人心を動かし絶対不利な戦いに挑む長親役、上地さんは石田三成役を演じた。そのほか、佐藤浩市さん、榮倉奈々さん、成宮寛貴さんらが集結。犬童一心さん、樋口真嗣さんによるダブル監督で、8年の時間をかけて完成した。

 会見前に萬斎さんと上地さんは大須の「大光院」を訪問。同寺は映画に登場する「明嶺理察和尚」により清洲市に創建。その後、大須に場所を移し、現在の大光院と改めた。後に長親が尾張に移り住み菩提(ぼだい)寺にしたという縁の深い場所だ。2人は成田家の子孫の成田幸隆さんと対面し、共に「成田長親公四百回忌特別法要」に参列した。

 成田さんの「ややもすれば歴史の中に隠れてしまうご先祖だった。萬斎さんに魅力的な人物として演じていただき、うれしい」という言葉に、笑顔を見せた萬斎さん。「成田家のご子孫にお会いできたのは、まさしく仏のご縁を感じる。名古屋と縁のある映画なのでぜひ映画館に足を運んでほしい」と語った。上地さんは「自分が日本に生まれ日本の歴史の中で生きていることを、この作品であらためて感じた。一人一人の人間がすごく鮮明に描かれた映画」と話した。

 特別法要の後に記者会見を開催。萬斎さんは「長親は今まで演じたことがない役。自分ではぼーっとしていないつもりだが、周りの人にはぴったりだといわれた。トリックスターで、トランプだとゲームによってババにも切り札にもなるジョーカーのような人物。予測させないところに魅力があり、発言はどこか真理を突く。戦国の世にあって500対2万になったら絶対に降伏するが、数の論理で負けを認めるのが本当なのかと戦うところに彼なりの正義があった。とっぴに見えることが実は正しいと気付かせてくれるところに彼の魅力がある」と話す。

 上地さんは「見ている人が敵味方関係なく応援できるような存在にしたかった。クライマックスの長親と会うシーンを元に、そこから逆算して人物像を考えた。萬斎さんに実際に会ったのは撮影に入って2カ月後。やっと会えたことと、あのシーンができるという喜びで、自分自身の思いも(演技に)入った」と話す。

 濃密な人間ドラマや大掛かりな水攻めシーンなど見どころが多い同作。上地さんは「スペクタクル、人間ドラマなどいろいろな要素が入っているが、まとまっている映画。一人一人のキャラクターが立っていて、見るたびに味が変わっていく。2度3度見ても楽しめる作品」と話す。萬斎さんは「時代劇のパターンに挑発的なくらい型にはまっていない映画。時代設定などにこだわることも必要かもしれないが、それよりももっと人間同士の関わり合いを描こうとしている。時代劇だからと構えずに、史実ではあるが現代劇に置き直して見てもらってもいいかも」と作品の魅力を語った。

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