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名駅シネマスコーレで中川運河ロケのオムニバス映画 松本監督ら会見

(左から)松本卓也監督、木全純治プロデューサー、北岡真紀子監督

(左から)松本卓也監督、木全純治プロデューサー、北岡真紀子監督

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 名駅の映画館「シネマスコーレ」(名古屋市中村区椿町8)で4月7日から、中川運河を舞台にしたオムニバス映画「Filmusic in 中川運河・秋」が公開される。公開に先立ち監督2人と木全純治プロデューサーが会見を開いた。

 10年間かけて中川運河一帯を文化地区にする「中川運河再生文化芸術活動助成事業(ARToC10)」の一つとして制作された同作品。同事業では中川運河の魅力と回遊性を高め、運河の歴史や文化・芸術を楽しむ市民活動を継続的に実施することを目的に助成を行っている。映画企画はこれまで「Filmusic in 中川運河・2013冬」「Filmusic in 中川運河・夏」が制作・上映された。

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 同企画では監督、俳優らを招へいするとともに、地元の市民からも出演者、スタッフを募集。今回は「日本で一番悪い奴(やつ)ら」「彼女がその名を知らない鳥たち」など話題作を世に送り出した白石和彌監督ら3人のクリエーターが選ばれ、昨年秋に中川運河周辺で撮影を行った。「Filmusic(フィルミュージック)」はフィルムとミュージックを掛け合わせた造語で、各作品とも「音楽がある」ことをテーマにした映画になっている。

 作品は以下の通り。長編映画制作の機会を得た新進若手監督が撮る本編映像と、撮影風景を追うメーキング映像が同時進行するパラレル映画「ダイナマイト・ソウル・バンビ」(松本卓也監督)。仕事に疲れたテレビディレクターが、神社での不思議な女性との出会いからファンタジックな事件に巻き込まれていく「中川運河サンダーボルト」(北岡真紀子監督)。家庭に居場所がなく、学校ではいじめっ子グループに入っている少年が、運河の向こうから聞こえてきた音色に誘われ、不思議な女性と出会う「マンドリンの女」(白石監督)。

 完成披露上映会が行われた「リンナイ旧研修センター」(中川区広川町4)での会見には、松本監督、北岡監督、木全プロデューサーが出席。木全プロデューサーは「松本監督は映画企画『MOOSIC LAB 2015』に参加した作品を見て、ぜひ撮ってほしいと声を掛けた期待の若手。北岡監督は栄のNHK文化センターで行っている映画講座の受講者。講座で行ったシナリオのプレゼンで彼女が最多得票を獲得して、今回の監督に決まった。白石監督は以前から参加したいと言っていた。とても忙しいので声を掛けるか迷ったが、自らロケハンを行い、監督・脚本で参加してくれた」と、それぞれの選出理由を話す。「秋の中川運河を背景に、音楽がある映画という以外に制約はなしで作ってもらった。それぞれの監督の個性で、中川運河をどう撮ったのか、見ていただけたら」とも。

 お笑い芸人として活動し、コンビ解散後に独学で映画制作の道に進んだという松本監督。本作では監督・脚本のほか、主人公も自ら演じた。「お笑いライブで名古屋に来ていたので、友達も多い街。ロケハンをした際、一番印象的だった運河の夕景を映画のストーリーに効果的に取り込むことができた。ロケ地としてもいいが、オーディションなどで出会った名古屋の人たちに魅力を感じた部分も大きく、楽しい映画作りだった」と振り返る。

 2つの映像で進む手法について松本監督は「映画の特典映像が好きで、メーキング映像が本編を食い破って、浸食していく映画があれば面白いと思った。それぞれの映像パートで別々の音響を使い、音の差別化にもこだわっている。主人公の若手監督と自分はまったく同じではないが、インディーズ、商業映画含め、さまざまな問題点に対する思い、葛藤は僕にもある。ほかの監督や役者に聞いた話なども交えて物語を作り上げた。見やすいエンターテインメントに、プラスアルファで普段見られないような冒険心も入れた映画」と話す。

 北岡監督は愛知県小牧市在住。「一番好きなのは松重こう門越しの遠景で、それを映画に使いたかった。神社や妖怪が出るファンタジックなストーリーは、さまざまな説話のいいとこ取りをして作ったオリジナル。劇中で見事な演奏をする3人は、主人公の女性を演じたナカムラルビイさんが所属している地元名古屋のバンド『フリーキースタイルロカ』の皆さん。ライブを見てすごいインパクトだったので、出演をお願いした。今回は多くの人に協力いただき、ぜいたくな体験をさせていただいた」と笑顔を見せる。

 最後に木全プロデューサーは「10年という長い期間を視野に入れて続けてきた企画なので、四季の風景の違いだけでなく、中川運河の時間による移り変わりも映画に残すことができている。その中には、もしかしたら無くなってしまう建物や風景もあるかもしれない。とても貴重な映画シリーズになると感じている。ぜひ映画館の大きなスクリーンと音響で見ていただけたら」と呼び掛ける。

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