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自動車部品金型メーカーなどが高級アイアンを商品化 中部のものづくり技術集結

中部エリアの異業種中小企業で結成した「KASANE CHUBU」

中部エリアの異業種中小企業で結成した「KASANE CHUBU」

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 中部エリアの製造業や伝統工芸など中小企業11社がコラボレーションした「ものづくり」プロジェクト「KASANE CHUBU(カサネ チュウブ)」が11月1日、ミッドランドホール(名古屋市中村区名駅4)でコラボ第1弾商品のゴルフアイアン「MUQU(ムク)」を披露した。

お披露目されたコラボ第1弾商品のゴルフアイアン「MUQU(ムク)」

 発起人は自動車の扉や窓に使うゴム製品を作る金型のメーカー「エムエス製作所」(清須市)。副社長の迫田邦裕さんは「自動車の国内生産数は減り、自動車産業も変革の時。中小の製造業者も減り企業の高齢化や後継者不足など悲しい現実があるが、見ているだけではなく何とかしないといけないと思いを持っていた」と振り返る。「自分たちが一流の技術だと思っていても一般には伝わりづらい。技術を分かりやすく見せるため新しいブランドづくりをして、自社商品で自動車部品に次ぐ第二の柱を作りたいという考え」と話す。

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 コラボ商品「MUQU」作りの過程で同社がつながった企業一社一社をつないでプロジェクト「KASANE CHUBU」を結成。「中部のものづくりの匠の技術が重なり、生まれる」という思いをのせ一つのプロジェクトとしてくくるためにも名前を付けた。メッキ加工、鏡面加工、柄をつけるシボ加工、装飾のための七宝焼きや商品をディスプレーに使う美濃和紙、パッケージ、ブランディングなど異業種が集まる。

 「MUQU」の最大の特徴は、金属の塊から削り出してアイアンヘッドを作り出すこと。迫田さんによると金型メーカーの同社がアイアンづくりを始めたのは「運と縁」だという。同社で営業を務める東幸秀さんと、自社ブランド「ZONE」を手掛けるゴルフクラブメーカー「メヴァエル」(西春日井郡)社長の鈴木育夫さんが幼いころからの知人の間柄。「鈴木さんの仕事と何かつながらないかなと思っていた。自分自身のアイアンを作りたいと言ったことが最初」(東さん)。

 開発期間は1年3カ月。メヴァエルは設計と監修を担う。試行錯誤し生み出した設計データを元の削り出し、11キロの塊が300グラムのヘッドになるという。「鉄は削る方向でひずみができ曲がる方向が変わる。鉄を押しつぶして造る鍛(たん)造品と違い、削り出し製法は素材の品質を残すことができる。それが打感の違いになる」(東さん)とし、鉄の素材を生かしたアイアンづくりができるという。

 ヘッドの鉄材料は3種類を用意。「試打してもらい好みの打感を選ぶことができる。一本ずつ材料を変えてもいい」(迫田さん)。発注者の要望に合わせカスタムメードで、装飾も複数用意する柄から選べるほか、希望のデザインなどを取り入れることもできる(別途料金)。「中部のものづくり技術が結集してできた商品」(迫田さん)、「オートクチュールように作られたヘッド、そこに載る装飾で感動を与えられる商品」(東さん)。

 受注生産で、標準仕様の場合は2~3カ月で完成する。ヘッドの価格(標準仕様)は、5番~PW6個セット=216万円、1個=36万円(税別)。「高額で驚かれると思うが、オールメードインジャパンの高品質を対価で買っていただきたいという思い」(迫田さん)。1カ月で3セット、3年以内に100セット販売を目標に据える。

 受注販売開始日は12月1日。エムエス製作所内MUQU事務局のほか、松坂屋名古屋店(中区栄)北館4階のゴルフ用品売り場でも受け付ける。

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