愛知県出身の漫画家・棚園正一さんが自身の不登校の経験を語る講演会が5月12日、ウインクあいち(名古屋市中村区名駅4)7階展示場で開催される。
棚園さんは自らの不登校経験を題材にした作品「学校へ行けない僕と9人の先生」(双葉社)を2015年に出版。今年3月には作画を担当した、長期入院する児童の病院訪問教育を題材にした原作・山本純士さんの漫画「マジスター~見崎先生の病院訪問授業~」(小学館)を発表した。身体的に学校へ行けない子どもたちについて興味を持ち、当人や周囲の人の気持ちを作品にしたいという気持ちで山本さんと取材を重ねたといい、「病院訪問教育は悲しい現実も多いが、生きることに一生懸命な人がたくさんいることを伝えたい」(棚園さん)と話す。
講演会は名古屋リビング新聞社主催の中高不登校生・中退者のための学校相談会内のコーナーで開かれる。昨年に続き2回目で、昨年は主催者の予想を上回る参加者だったという。これまでにも、不登校や引きこもりの経験がある子どもを対象にした各地のイベントに登壇し自らの経験を語ってきた。
今年は、多くの保護者や実際に不登校の子どもたちと直に接してきた経験から、「学校へ行けない~」では描かれていない内容や漫画を出版した後に感じた自身の思いを語るという。
棚橋さんは「講演会では答えや正解を知りたい人がほとんどかと思うが、『行かない選択肢もある』という前提で話している。各自でどうしようか悩む時間も大切だと思う。自分のことを見つめなおすきっかけにもなっているのでは」と話す。
棚園さん登壇する講演会は15時15分~16時。要事前予約で同イベントのウェブページで受け付ける。5月9日応募締切。入場無料。