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円頓寺・四間道のフリーマガジン「ポゥ」、30号で終刊へ 15年の歴史に幕

それぞれお気に入りの表紙の「ポゥ」を手にする、(左から)カワカタミカコさん、飯田幸恵さん、久路里まりさん

それぞれお気に入りの表紙の「ポゥ」を手にする、(左から)カワカタミカコさん、飯田幸恵さん、久路里まりさん

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 円頓寺・四間道かいわいの情報をまとめたエリアマップ付きフリーマガジン「名古屋のあるく下町情報誌 『ポゥ』」が次の30号で終刊することになった。

歴代「ポゥ」の一部。表紙のデザインは10年ごとに雰囲気を変えた

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 同エリアは名古屋駅からほど近く、昔ながらの雰囲気を残す商店街や、蔵や古い家屋が並ぶ通りがあり、近年増える新店舗やイベント開催などで注目を集める。

 2005(平成17)年11月に創刊した同誌は、地元にゆかりのある女性3人の手で作られてきた。家業で円頓寺本町商店街の「飯田洋服店」を営む飯田幸恵さんは営業兼編集長、円頓寺商店街にある1893(明治26)年創業の老舗履物店「はきものの野田仙」の久路里まりさんは構成とデザインを担当。2015(平成27)年にリニューアルした「はきものの野田仙」のインショップとして四間道から移転した雑貨店「木、布、紙 月のののうさ」店主のカワカタミカコさんは表紙や中ページのイラスト、マップを手掛ける。

 創刊前、グラフィックデザイナーでもある久路里さんが当時オープンしたてだった「月のののうさ」を知り、カワカタさんとよく話すようになったことに始まる。「このかいわいのマップができるといいな、情報誌が作れるといいな、このまちを伝えたい、と話し合っていた」(久路里さん)と振り返る。その後、久路里さんの幼馴染で当時から商店街の理事を務めていた飯田さんに声を掛け、実施に至った。

 A5サイズで24ページ。内容は西円頓寺商店街、円頓寺本町商店街、円頓寺商店街と四間道を中心にそれぞれエリア分けし店舗や地元スポットなどを掲載する手書きマップのほか、人物や歴史などの特集企画、地元で開催するイベントの紹介や豆知識を載せた情報をコーナー、実話を元にした4コマ漫画など。

 表紙は、毎回カワカタさんが手作りするかいわいのまちの風景をモチーフにした版画が飾る(1号目以外)。10号ごとに雰囲気を変更してきたという。「ポゥ」は犬や猫の足・肉球の意味。表紙や中面にも猫のイラストが登場する。印刷は地元の印刷会社が1号目から15年間担当。

 「ページ数も変えず、印刷色も1色、冬・春と夏・秋の年2回の発行など、制作チーム、スポンサーなど関わる人が無理がない程度を守り続けてきた」(久路里さん)。

 終刊を決断したことについて「年齢を重ねてきた自分たちの役割を考えた。年2回でも結構大変。2年前くらいから終刊の話が持ち上がった。連載してくれている方もいるので終刊まで2~3号分余裕があり区切りがいい頃として30号までとした」(久路里さん)。「当時は5年くらい続くといいね、と言っていたがこんなに長くやるとは」(飯田さん)とも。

 15年を振り返って印象深いことについて、飯田さんは2008(平成20)年に発行3周年を記念して開いた「ポゥ展」を挙げ、「展示会の設営やグッズづくりの作業が初めてだったので印象深い」と話した。表紙をほめてもらえることがうれしかったというカワカタさん。「まりさんの知り合いのバーを訪れた際にマスターに『ジャケの人だ』と言われてうれしかった。表紙の絵の中に自分の店が写り込んでいるのを見て、店の方がほしい言ってくださって版画を刷ってプレゼントしたこともあった」と笑顔を見せる。久路里さんは「ポゥを通じて、このまちが移りゆく姿を肌で感じることができた。15年間、取り上げたい、紹介したいということが絶えずあったので続けてこられた」と言う。

 最終の30号の発行は6月発行予定。30号は感謝の気持ちを伝えられる何かを考え中という。

 同商店街内に設置する掲示板や協力店舗で配布する。

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