発酵食品を使った「美食会」や、日本酒など「醸造」を取り入れたオリジナルカクテル販売が、名古屋マリオットアソシアホテル(名古屋市中村区名駅1)で展開される。
観光庁政策で「酒蔵ツーリズム」が推進されるほか、醸造・発酵食品が健康や美容にもいいとされ注目されていることを背景に、発酵調味料を使った地産地消に取り組むという同企画。酢・みそ・しょうゆ・酒・みりんなど、醸造調味料蔵が全てそろうのは愛知県のみだという。
同ホテル広報担当は「発酵はその場の微生物が関与するため動かせず、温度が1度変わってもうまくいかないと言われるほど繊細で不安定なもの。この不安定さがあるため、発酵食の歴史が深く地域ごとに特徴が異なる」と発酵の魅力を話す。
3月22日に同ホテル18階の日本料理「京都 つる家」で「美食会 東海発酵食イベント」を開催。全ての料理に発酵食品を取り入れるほか、調味料に愛知県産の酢、白じょうゆ、みりんなどを使うという。料理に合わせた日本酒も用意する。
同店料理長を務める上垣元さんが、「世界利き酒師コンクール」3位に入賞した日本酒ディレクターで料理家の田中順子さん、自身のがん闘病経験からがんになりにくい食材や体に負担をかけない食べ方を意識し、「発酵見習い師」と名乗る「発酵美味処 味ゆい」の長谷川和彦さんとコラボ。「この3人がダッグを組んで挑む発酵食美食会は、『どう生きるか』をおいししく気楽に考える良い機会にもなると思う」。参加費は2万円(発酵食料理・ペアリング日本酒含む)で、定員60人。開催は18時~。予約は電話(TEL 052-584-1104、10時~22時)で受け付ける。
同イベントのメニューの一部は同店の「東海発酵食会席」(9,500円)でも楽しめるという。販売は3月23日~4月30日。
2月15日から15階のバー「エストマーレ」で、関谷醸造(北設楽郡)の日本酒を使い、カクテルのチャンピオンシップで優勝経験を持つバーテンダーが考案した醸造カクテル「saezae(冴え冴え)」(1,480円)を期間限定販売。52階のスカイラウンジ「ジーニス」では、ウオツカベースでみそとチョコレートの厚みある味わいがあるという「吟(ぎん)」、日本酒ベースでヨーグルトの中に抹茶が香る「醸(じょう)」、甘酒と酢を使ったノンアルコールカクテル「粕(はく)」の3種類の醸造カクテルを期間限定販売。1杯1,600円。販売は4月30日まで。
「ホテルのバーは、訪日外国人が日本で最初にお酒を飲む場所となる場合もある。地元だけでなく、海外のお客さまにも日本酒のカクテルを味わっていただきたい、洋酒ではなくてもおいししいカクテルを作りたい、ノンアルコールでも楽しんでもらいたい、と考案した。カクテルの新しい世界を味わえると思う」(同ホテル広報担当)と話す。