縁日やイベント用品、景品などを扱う卸売会社「堀商店」(名古屋市西区新道2)が2月22日、玩具花火「ねこのうんち」を発売した。
同商品は、ソーシャルデザイナーの清水夏樹さんのアイデアで生まれたもの。清水さんが独立して参加した起業者の集まりで「うんち」の話しで盛り上がったことに始まる。清水さんは「うんちって何か面白いよね、という話しで大人が大笑いし、元々構想があった商品のプロトタイプを知人に見せたところ、堀商店を紹介された」と振り返る。
相談を受けて即決したという同社企画室の堀新太郎さん。「うんちの商品と言えば堀商店と言ってもらえるのはありがたい」という。同社にとって初めての花火商品となる。
商品はネコのイラストのおしり部分に「ヘビ玉(ヘビ花火)」がセットされたもの。ヘビ玉に点火すると、「うんち」に見立てた花火がもりもりと出てくる。
「アイデアはシンプルだが、花火は燃える素材が近くにあることは安全基準に則していないので、このままでは作れない」(堀さん)という問題に、アルミや陶器、ガラスなどベースを考えが、印刷会社から提案された高温でも炭化するので燃え広がらないという防炎一級紙を採用した。「花火の品質にもこだわった」(同)といい、花火が確実に燃えて、「うんち」が出てくる様子が見やすいように煙を抑えるため、花火メーカーに炎と煙のバランスの改良を依頼して作った。
商品は堀さんと清水さんは、名古屋市動物愛護センターも訪れた。堀さんは「税金の使い道は、イヌ・ネコに掛けるのは一番最後だと教えてもらった。動物愛護への目的寄付が重要なことが分かり、この『ねこのうんち』で興味をもってもらい、目的寄付につながれば。この商品を作る意義を感じた」と力を込める。
自身も保護ネコを飼っているという清水さん。「近所では、ネコがかわいそうと思ってエサを与える人、自宅の庭に入ってきて迷惑だと思う人の両方がいていざこざが起きる。争い事の解決としてネコを処分しようとなるのも、嫌だし違和感を感じた。この花火で、保護ネコ、地域ネコに目を向けてもらうきっかけになれば」と話す。
価格は1個250円。黒、ミケ、茶トラ、サバトラの4種類。あえてネコの顔を出さないデザインで、顔を想像してもらうようにした。ネコ砂の写真をデザインした台紙にセットする。売り上げの一部は名古屋市の犬猫殺処分ゼロを目指す活動に寄付される。
「子どもたちがワイワイと歓声をあげて楽しんでくれれば」(清水さん)、「この花火で地域の人が集まるポイントになれば。季節を問わず昼間に楽しむ花火なので、花火マーケットの手助けになれば。目標は花火の市場拡大」と意気込む。
同店店頭のほか、通販サイトで販売する。今後、量販店での販売も予定する。