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名古屋・大門横丁に子どもも大人も集まれる「まちの駄菓子店」 空き家物件を改修

工事中の店舗前で「みんなで駄菓子屋 大門横丁」オーナーのあいざわけいこさん(手前)と、工事や店づくりをサポートする「さかさま不動産」のメンバー

工事中の店舗前で「みんなで駄菓子屋 大門横丁」オーナーのあいざわけいこさん(手前)と、工事や店づくりをサポートする「さかさま不動産」のメンバー

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 名古屋市営地下鉄「中村区役所」駅近くの「大門(おおもん)横丁」(名古屋市中村区太閤通5)で現在、空き家物件を子どもも大人も集まれるまちの駄菓子店「みんなで駄菓子屋 大門横丁」に改修する工事が進んでいる。

レトロな雰囲気ただよう「大門横丁」

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 同横丁は戦後に作られた長屋の集まりで、現在は10軒程度が立ち並び、うち半数が夜のみ営業する居酒屋やお好み焼き店、作家の工房として使われ、残りは空き家になっている。

 駄菓子店オーナーは、「大門まちづくり友の会」メンバーで、グラフィックデザイナーや「まちの記録写真係」として活動するあいざわけいこさん。同会の有志はこれまで、地域の祭りや、同横丁では餅つき、菓子まきなど子どもが楽しめるイベントを行ってきたが、新型コロナが訪れてからはイベントができなくなった。あいざわさんは今年2月、「子どもが寄れる場所を作りたい、駄菓子屋が似合うのでは」と考え行動に移した。

 「店を出すなら大門横丁と決めていた」というあいざわさんは、借りたい人の思いとそれに共感する物件オーナーを引き合わせる不動産マッチングサービス「さかさま不動産」のウェブページに、同横丁へ駄菓子店を出店する思いをつづった。空き家の聞き込みからはじめたが、持ち主不明や断られるなど行き詰まったこともあったという。残る1軒も連絡がついた時にはすでに譲る先が決まっている状況だったが、「チャンスがほしい」とさかさま不動産に掲載した記事を案内したところ、共感を得て譲ってもらうことになった。

 場所は大門横丁の北側の端。以前はバーで約40年間空き家だった物件。開けてみるとあらゆるところが傷んでいたが、建屋や土間の使えるところは残し、活用することにした。1階の壁側に設置する棚には、子どもの目線に合わせた下の段に駄菓子を、大人の目線の上の段には酒のつまみにもなる商品を陳列する予定。中央部には中に駄玩具を飾れるカウンターを設置し、大人のワークスペースとしても使えるようにする。2階は「おむつ替えなど赤ちゃんのお世話もできるように」(あいざわさん)畳を敷き、ロフトも設置する。

 日中、2階は子どもの宿題をする場として開放する考えという。あいざわさんは「本気で勉強するならロフトも使っていいことにしようと思う。焼きそばやカレーなども提供したい」と笑顔を見せる。工事も含め店づくりをサポートするさかさま不動産の水谷岳史さんは「店内でデスクワークする大人が子どもに駄菓子をごちそうして、大人も子ども混ざり合うような空間にしたい」と話す。

 壁のしっくい塗りに近所の子どもたちが参加するなど、地域との関係も深めている。あいざわさんによると、同横丁は飲み屋街と思い込んでいたが、譲り受けた場所は住民から「昔は駄菓子店だった」と聞き、図書館で住宅地図を調べたところ、昭和28年の地図には喫茶店や服の生地店などが並ぶ場所だったことも分かったという。

 今月16日(10時~16時)は、誰でも参加できるカウンターテーブルのタイル貼り体験を行うほか、「名古屋ハロウィンラリー」にスタンプスポットとして参加する。

 プレオープンは11月11日を予定する。

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