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名古屋駅西の書店に新店長 地域に特化した店づくりでにぎわいを生み出す

「NAgoya BOOK CENTER(ナゴヤブックセンター)」新店長に就任した藤坂康司さん

「NAgoya BOOK CENTER(ナゴヤブックセンター)」新店長に就任した藤坂康司さん

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 名古屋にちなんだ書籍のみを取り扱う書店「NAgoya BOOK CENTER(ナゴヤブックセンター)」(名古屋市中村区椿町12)に新店長が就任して、3カ月がたった。

平台には名古屋駅西にゆかりのある書籍が並ぶ

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 4月1日に新店長に就任した藤坂康司さんは、書店員、出版社の営業マン、名古屋市守山図書館・志段味図書館の館長と、本を扱う仕事に携わってきた。図書館長の退任が決まり、今後の身の振り方を考えていた時期に、「NAgoya BOOK CENTER」を運営する「屋上とそら」社長の堀江浩彰さんから「次が決まっていないなら、うちの書店で働いてみては」と提案され、二つ返事で引き受けたという。

 藤坂さんがまず取りかかったのが品ぞろえの強化。「名古屋の中でも駅西エリアに特化した棚づくりを目指した」と藤坂さんは話す。店頭の平台には名古屋市出身で「名古屋駅西 喫茶ユトリロ」の作者であるSF作家・太田忠司さんの新刊書籍や、太田さんが自主制作した作品集「ありふれた宝石」、同店近くの中華料理店「平和園」の2代目店主で歌人の小坂井大輔さんの新刊「KOZAKAIZM」など、名古屋駅西にゆかりのある書籍をそろえる。そのほか、名古屋駅西エリアや名古屋に関連する自費出版物やZINE、古本などが並ぶ。

 著者を招いてのトークイベントや読書会など、イベントを積極的に開催するようになったのも、藤坂さんが店長に就任してから。イベントでは名古屋に限らず、書店運営や、図書館と地域の関連など、幅広いテーマを取り上げる。

 7月以降のイベントから、書店員や図書館職員を対象とする参加費割引制度を導入する。きっかけは、SNSで「書店員を養成するための勉強会や講習、研修などがおろそかにされてきたのでは」といった主旨の投稿を目にしたこと。藤坂さんは「投稿を見て、書店員だけでなく図書館職員にも通じる課題と感じた。勉強会に参加したくても費用がネックとなり二の足を踏む人も少なくない。『学びたい』という思いに応えられるような制度を設けたいと考えた」と振り返る。県内外の書店員や図書館職員からの申し込みも増え、「『割引制度があるなら』と申し込む遠方の方もいるほど。一歩踏み出す力となればうれしい」と笑顔を見せる。

 藤坂さんは「イベントはにぎわいづくりの一つ」とも。「店長就任時、『この場でにぎわいをつくってほしい』と言われた。今後はZINE文化がもっと盛り上がると予想している。方法を模索しながら、さまざまな人が集まれる場所に育てていきたい」と意気込む。

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