プレスリリース

漆と木粉を原料とした100% 植物由来のバイオマス成形体技術 URCYL(アーシル)2025年1月、メゾン・エ・オブジェに出展 欧州に向けて初披露

リリース発行企業:合同会社ELEMUS

情報提供:




天然素材が持つ力を独自の論理で研究し、新たな解釈をすることで新素材の開発を行う合同会社ELEMUS(エレムス)[所在地:愛知県岡崎市 代表社員:ダントーホールディングス株式会社 CEO:小原 淳]は、2025年1月16日(木)~20日(月)の期間、フランス、パリで開催される世界最大級のインテリアとデザイン関連の国際見本市メゾン・エ・オブジェに出展し、当社が開発する漆と木粉のみを原料とした100%植物由来のバイオマス成形体技術「URCYL(アーシル)」を欧州へ向けて初披露します。

日本古来の天然素材、漆から開発された「URCYL」
ELEMUSは持続可能性と再生可能性を中心に掲げ、これまでの事業モデルから脱却して、環境負荷を最小限に抑えつつ社会に貢献することを目指しています。世界各国の素材メーカーがバイオマスプラスチックの開発を行う昨今、当社では、日本が古来より活用してきた天然素材「漆」に着目。漆と独自技術で微粉砕した木粉(主に間伐材や端材などを活用)を用いた100%植物由来のバイオマス成形体技術「URCYL」の開発に成功しました。その技術は、日本やEUで特許を取得しております。

ウルシノキの自社栽培へ着手
漆は日本において縄文時代より活用され、漆器の製造技術は独自に発展を遂げました。また、かつて日本国内各地でウルシノキが栽培されていましたが、戦後、石油化学の発展に伴い減少の一途をたどりました。ELEMUSは、大学や研究機関と連携し自社でウルシノキの栽培に着手、これまで不可能とされていたウルシノキの人工発芽に世界で初めて成功しました。現在、その苗を愛知県の中山間地へ植樹し、栽培をすすめています。ウルシノキは発芽後15年程度で、樹液を採取できるようになることから、長期的に安定した資源供給が可能であり、私たちが生きている時間軸の中で循環させることが可能です。また、ウルシノキは他の樹木に比べて成長が早いことから、CO2の吸収量(固定化)が多いと考えられており、環境保護の観点からも評価されています。

デザインディレクターに秋山かおりが就任
また、本年より、色や素材の持つ力を効果的に活用するクリエイションを生み出すデザイン事務所「STUDIO BYCOLOR」を主宰する、デザイナーの秋山かおり氏をデザインディレクターに起用しました。「URCYL」をライフスタイルアイテムの開発、製造するメーカーや、その企画に関わるデザイナーたちへより具体的にプレゼンテーションを行い、当事業の発展、推進をともに行うパートナーの開拓を目指します。

■URCYL について




URCYL(アーシル) の特徴
石油由来プラスチックの一種と同じ化学構造を持つウルシノキの樹液「漆」と、主に端材や間伐材を原料に粒度をカスタマイズできるELEMUSの独自技術で微粉砕した木粉を使用し、東京都立産業技術研究センターとの特許技術をベースに発展させた技術を用いて製造される「URCYL」は、植物資源のみを原材料にした100%バイオマス成形原料です。ABS 樹脂とほぼ同等程度の物理的強度を持ち、抗菌性、抗ウイルス性を併せ持つ、耐熱性の高い素材です。 食洗機の使用も可能なため、食器をはじめとする生活用品や、照明器具、工業製品の部品としてなどさまざまな活用が見込まれます。







ウルシノキの自社栽培
世界最古といわれ、およそ9,000年前のものとされる漆を用いた副葬品が日本国内で発見されたことからも、漆は日本において縄文時代より活用されていることが証明されており、その後、漆器の製造技術は独自に発展を遂げました。中世では日本から輸出された漆器が「Japan」と呼ばれ、現在でも漆の対訳として「Japanese lacquer」という言葉が残っているほど、漆は日本人の生活に欠かせない素材の一つでした。かつて日本国内各地でウルシノキが栽培されていましたが、戦後、石油化学の発展に伴い減少の一途をたどり、現在ではおよそ9割が輸入に頼っている状況です。
ELEMUSは、大学や研究機関と連携し自社でウルシノキの栽培に着手、これまで不可能とされていたウルシノキの人工発芽に世界で初めて成功しました。ウルシノキは分根させた苗を植樹し造林することが一般的ですが、種子から発芽させた苗で増やすことで、より環境に順応した個体を育成することが可能になります。ウルシノキは発芽後15年程度で、樹液を採取できるようになることから、長期的に安定した資源供給が可能であり、私たちが生きている時間軸の中で循環させることが可能です。また、ウルシノキはCO2の吸収量(固定化)が多いと考えられており、環境保護の観点からも評価されています。
現在、当社では年間約5,000本のウルシノキの苗を栽培し、行政や地元住民、NPOと協働し、愛知県の中山間地へ植樹を行い、原料の国内生産へむけて栽培、研究を進めています。
今後は、欧州での植樹、栽培を実現させるべく研究を重ねるとともに、漆を効率よく採取する技術の開発を目指しています。

ブランドサイト ※2025年1月14日(火)オープン予定
urcyl.com









■新素材「URCYL」から生まれるデザインの可能性(デザインディレクター/デザイナー 秋山かおり)
漆の粉が導き出すもの。

私たちは長い間ウルシノキの樹液「漆」を活用してきましたが、漆がパウダー化されたことでものづくりの対象が広がり、従来に比べてフレンドリーなマテリアルになったと言えます。
これは、過去の様々な事例に並ぶ、優れたマテリアルイノベーションです。
漆と微細な木粉が混ざり合うことで生まれたURCYLは、あらゆるものづくりの開発者、デザイナーへ漆の再解釈を促し、現場が抱える悩みや壁を突破させる可能性を多分に含んだ強くしなやかな素材です。
メゾンエオブジェでは、URCYLの背景にあるマテリアルの循環を、種から苗、栽培、そしてプロダクトへの展開案を一連の流れで伝えます。
植物由来で熱硬化樹脂の成形品だからこそ掌から感じる艶やかさや重さを食器で、漆の質感や深みを照明器具を通してご覧いただけたらと思います。
マテリアルからものづくりを見直し、責任ある取り組みを進める企業が集うメゾン・エ・オブジェの場で、新素材URCYLを通して人々がどう感じ、またどう可能性を広げられていくでしょうか。遥か遠い私たち日本人の祖先からの知恵を、より良い姿で更新、展開させていきます。

UR01

UR11

ケーススタディ・プロダクト “UR01” “UR11” について
漆掻きの歴史は遥か10,000年前に遡る。人々はウルシノキの幹に傷をつけ、一滴ずつ大切に漆の樹液を恵としていただいた。人類の長い歴史の時間軸の中で、限りある素材を大切に使い続けた先人たちの叡智を尊び、連続的に漆掻きの跡が残るウルシノキの幹を模ったUR01は、まるで漆の樹液がこぼれるように光が溢れる照明である。
限りある大切なものを前にした時に私たちは大事なことに気がつかされ、また一方で余りあるたくさんのものを前に分け与え得る喜びを知る。UR11は、人の営みの原点である食べるという行為を通して、生きる喜びや純粋な気付きを得られたらという思いが込められている。

※UR01サンプル制作協力:Ambientec、かなぐや
※メゾン・エ・オブジェ 展示会場制作協力:Arakawa & Co., Ltd


■プロフィール
秋山 かおり | Kaori Akiyama
デザインディレクター/デザイナー
デザインの領域が広がる今、あたりまえを問い、私たちの目の前にあるものを一から見直すアプローチで「STUDIO BYCOLOR」として活動。その足元に眠る時間を掘り起こしながら、事柄が生まれた過程を知り「芯」を据え、色や素材により魅力を引き出し存在の意味を一層強めていく。素材実験から導き出された「INHERENT:PATTERN」は2022 年に世界3 大デザイン賞のひとつiF DESIGN AWARDを受賞。この他、iF DESIGN AWARD GOLD, DFA AWARD GOLD, DIA Top 100など受賞多数。グッドデザイン賞審査員、What Design Can Do Committee member 、タイ デザインエクセレンスアワード審査員、台湾国際学生デザインコンペティション審査員など国内外の審査員を務め、デザインの価値を見出す活動も行う。http://studiobycolor.com







■合同会社 ELEMUSについて
合同会社ELEMUS は、ダントーホールディングス株式会社(東証5337)を親会社に、100年後を暮らす人たちが現代以上の環境で、快適、安全に暮らせるように地域や行政、大学や研究機関、民間企業やNPOなどと連携しながら愛知県三河地域を拠点に植物の栽培、育成、植物原料を用いた持続可能な新素材の研究開発、製品のブランディングを行うことでものづくりを通じて真の循環型社会への貢献を目指しています。 主な事業として、原料、品質にこだわり、独自技術によって最小で平均粒径75μmまで微粉砕した木粉の販売、加工請負のほか、漆と木粉を原料とした100%植物由来のバイオマス成形体技術「URCYL(アーシル)」の開発に取り組んでいます。
日本人が培ってきた、伝統的な技術や自然素材の知識を継承しながら、現代が抱える問題を解決する。伝統技術や自然素材に新しい解釈を加える事で、ものづくりの新しいスタイルにチャレンジする会社がELEMUS(エレムス)です。

100年後の森林の再生と環境と産業の調和、その実現に向けた活動
ELEMUSが拠点を置く、愛知県三河地域のほぼ中央に位置する「雨山山(あめやまやま)」の山頂からは、遠く三河湾を望むことができます。奥山から海までの一連の川の流れは、地球規模での生命の循環を想起させ、また周辺地域には縄文時代、弥生時代の遺跡が点在しており、古代から現代に至る時間軸において自然と人との関わりを検証するのにふさわしい地域です。このエリアで、当社のCEOを務める小原淳は30年に渡り、自然と人の在り方という原点から、森林の再生、環境と産業の調和その実現に貢献していくことを目的とした「天使の森プロジェクト」を推進しております。
近代に入り、軍需物資や戦争により焼失した主要都市部の家屋再建に、大量に樹木が伐採されました。1950年に制定された「造林臨時措置法」により、国を挙げてスギやヒノキの植林が一気に進められましたが、安価な輸入木材の普及によって林業は衰退し、多くの山林運営者が山を放置する事態となり既に成木となったスギやヒノキが手付かずの状態でその多くが放置されています。人工林を維持するために必要な間伐がなされておらず、効率的で良質な木材が生産されていないばかりか、樹木が弱り、近年の豪雨に伴う洪水などの自然災害の原因とも言われています。この放置された人工林を再生させるため、生態学、植物分類学の研究者や郷土研究家など各分野の専門家らとともに、ケヤキやナラ、ブナをはじめとする広葉樹や、当社が栽培に着手したウルシノキなどこの地の自然環境に適合した樹木の植樹を行っています。
また、徳川家康をはじめとする多くの戦国武将の出身地でもある三河地域において、優れた武器・装備を製造するために、大量で良質な漆を生産していた記録が残っていることからウルシノキがこの地に生育していたことを証明しています。

■会社概要
会社名  合同会社ELEMUS(ELEMUS LLC)
所在地  愛知県岡崎市明大寺町西郷中39-79
代表社員 ダントーホールディングス株式会社
CEO   小原 淳
CFO   前山 達史
CMO   稲木 孝至
資本金  10,000,000円
設立   令和元年6月3日
HP    https://elemus.co.jp/
*当社はダントーホールディングス株式会社(東証5337)の子会社です。

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