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特集

エリア特集2009-12-15

名古屋の台所「柳橋中央市場」をマルナカ社長がご案内!
旬の味覚と現代の食事情〈冬・正月編〉

4回シリーズ(予定)で名駅「柳橋中央市場」をレポートしている本特集。第3回目となる今回は、正月に欠かせない行事食と、その正月食材の買い出しで毎年大賑わいとなる市場の年末大売り出しをご案内。「マルナカ食品センター」の安藤東元社長とともに、正月ならではのおすすめ食材や、上手な買い物方法を紹介する。

年末年始に欠かせない行事食

年末年始と言えば、クリスマスに忘年会、大掃除、大晦日、そして正月…と、まさにビッグイベントのオンパレード。皆さんは、毎年どんな風にお過ごしだろうか? 時代やライフスタイルの変化とともに、いわゆる昔ながらの正月を過ごす家庭が減ってきているとはいえ、やはり大晦日には年越しそば、正月には雑煮とおせち料理、そして17日の七草粥くらいは、日本人としてきちんといただきたいものである。

もちろん、これらを年末年始に食べるのには、ちゃんとした意味がある。例えば「年越しそば」は、そばのように細く長く長寿であるように、との願いが込められたもの。また金を集める縁起物ともされるそばは、年を越す前に食べきらないと金運に恵まれない、と言われている。「おせち料理」は、1年の実りと幸せをもたらす新年の神様「年神様」に供えるための供物料理。かまどの神様を休ませるために作り置きできる品がメインで、「めでたさが重なるように」と重箱に詰めるのが慣わしだ。「雑煮」についての由来は諸説あるが、正月に食べられるようになったのは室町時代が始まり。地域によって具材やだしが異なるのは有名な話で、ここ名古屋市周辺では、餅ともち菜(小松菜の一種)を入れた澄まし汁仕立てが定番とされている。もとは「名(=菜)を持ち(=餅)上げる」という縁起担ぎだったとか。そして正月7日の「七草粥」には、正月の豪華な食事で疲れた胃をいたわるとともに、邪気を払い、万病を除くなど無病息災の願いも込められている。

(写真器や飾り物を扱う包装雑貨店。店頭にも、徐々に正月関連の商品が並び始める)

ありがたいもの尽くしのおせち料理

中でも「おせち料理」には、来年の豊作や家族安泰、子孫繁栄など、さまざまな願いや縁起担ぎが込められている。その代表的な例を一部紹介しよう。黒豆は、家族みんなが「一年中まめ(まじめ)」に働き、「まめ(元気)」に暮らせるように。数の子は、この卵のように子がたくさん生まれ、子孫が繁栄するように。田作りは、かつては水田でコイワシを肥料にしたことから、豊年豊作・五穀豊穣でありますように。きんとん(金団)は財宝を表し、豊かな生活が送れるように。またエビは火を通すと背が丸くなることから、腰が曲がるまで夫婦ともに元気で長生きできるようにと、長寿を願ったもの。何気なく口にしているおせち料理、実は一品一品が大変ありがたーい食べ物なのだ。昔の人々がこうして食べ物に込めた思いや由来を知れば、一層おいしく感じられてくる。

市場の買い出しは年末の風物詩

さて柳橋中央市場の年末は、そんな正月食材を買い求める人々で一年で一番の賑わいとなる。普段は料亭やレストランなど業務用の利用が多い市場も、年末ばかりは一般客がズラリ。いつもと違った活気に包まれるのだ。特にここマルナカ食品センターでは、毎年1227日~31日は「歳末謝恩大売り出し」と題し、正月向けの商品を取りそろえる。「年末は朝4時の開店と同時に、お客さんが続々とやって来ます。おせち調理に、正月のすき焼きや鍋の具材を買い求める家族連れ、それから夫婦で帰省用の手土産を買いに来るお客さんも多いですね。今では正月元日から営業するスーパーも多いし、コンビニも24時間営業だから、以前ほど食材を買いだめする傾向は減っていますが、やはりここには一般のスーパーとは違った商品がありますから。歳末の風物詩として、毎年楽しみにいらっしゃる常連の方も多いんですよ」と安藤社長。

(写真=年末の歳末謝恩大売り出しを控えた師走の市場。普段は朝10時ごろには閉店してしまうが、年末の売り出し期間は昼12時ごろまで営業しているため、初めての人もこの機会に訪れてみては)

年末買い物の心得

市場の買い物ビギナーに向けて、安藤社長に年末の買い出しのコツを聞いてみた。「掘り出し物を探すなら、断然大晦日。どの店も売り切ってしまいたいから、場合によっては店内全品半額!なんてのも出てくるよ。反対にじっくり買い物したいなら、開店直後の午前4時ごろや、閉店間際の午前11時以降。それから27日以前も狙い目ですね。大売り出し期間ではないけれど、並ぶ商品はそれほど変わりません。期間中ほど人出も多くないからゆっくり品定めできるし、店側も余裕があるので、サービスで魚を卸してくれたりね。市場ってスーパーみたいに小分けでは買えないから、例えば魚なら家庭用の冷凍庫で保存できるくらいの大きさに店頭でカットしてもらったり、安くまとめ買いしてグループで分けるのも手だね。そして買い物は手際よく。生鮮品から先に売れていくから、まずは魚コーナーからスタートしてください。似たような商品でも店によって価格が違うので、何軒も見て回ること。気になる商品を見つけたら、店の人に予算や品質、量など的確に希望のポイントを伝えましょう。その際、事前に小銭や千円札を多く用意していくと店側にも喜ばれ、手早く買い物ができますよ。それから最後に、忘れちゃいけないのが防寒着。食品を扱う市場は冷えるので、しっかり着こんで、少々汚れてもいい服装で来てくださいね」。

(写真左=店の人と何気ない会話を交わしながら、おすすめ食材を聞き出す安藤社長(手前)。スーパーとは違い値札や詳しい説明書きがない場合も多いので、店の人が手の空いている時を狙って話しかけてみよう)

(写真右=安藤社長もお気に入りという精肉店『中部三河屋』のローストビーフは、正月の一品にもぴったり)

市場の食材はこれを狙って!

では実際、市場ではどんな商品が 買えるのだろう。「せっかく家族が集まるからと、ちょっと奮発して豪華な食材を買い求めるお客さんが多いですね。ここ柳橋中央市場は特に魚介系の品ぞろえ が強いので、売れ筋はマグロ、カニ、エビなど。マグロの大・中トロは刺身にぴったりだし、カニは豪華でボイルや鍋にもいい。

(写真=サイズが大きいほど価格が上がるというズワイガニ。スーパーとは違い家庭用の少量売りではないので、友人同士で分け合うのがおすすめ)

(写真=職人の手により次々とさばかれるマグロ。脂の乗ったトロの部分は、本マグロとインドマグロからのみ取れる貴重な部位だ)

エビはお祝い事には欠かせないもので、普段は一流料亭やレストランに出回っているような、質のいい食材が手に入るんですからね。

(写真=祝い事には欠かせない車海老と伊勢海老は年末の売れ筋商品)

それからおせち料理用の食材なら、漂白する前の数の子が手に入るのは市場ならではかな。贈答用やスーパーで売られているもののほとんどは、見た目がいいよう漂白されたものなんですよ。

(写真=おせち料理や贈答用に人気の数の子。漂白前のものは、ややオレンジががって見える)

あと、我が家でも毎年買っているのがレンコンやニンジン、カボチャなどの野菜の飾り切りセット。煮付けにしたり、お膳に一つ添えるだけで正月らしさがグンとアップしますよ。てまり麩なんかも、華やかで彩り添えにいい。そうそう、リピーターの多い卵巻きもお忘れなく! ここマルナカには有名な卵巻き屋が2軒あるんだけど、どっちもすごい人気なんです。『右大臣』なら行列必至。もう一軒の『茶の善』は事前予約もできるから、しっかり計画してから来ることをおすすめします」と、さすが市場を知り尽くした安藤社長。混み合う中で確実にお目当ての品を手に入れたいなら、しっかりと買い物プランを練ることも大切なようだ。

(写真左=毎年行列ができる人気ぶりの『右大臣』のたまご巻き。お店の方いわく、3031日が特に混み合うので29日が比較的狙い目だそう)

(写真右=むきもの専門店『鈴亀』の飾り切りは、安藤社長も御用達。すぐ隣には、正月用の華やかなお麩などを扱う『麩秋』がある)

生鮮食品類をひと通り買い終えたら、乾物屋へも立ち寄ろう。焼き餅に欠かせない海苔や、雑煮にコクと風味を添えてくれる削り節など、いつもよりワンランク上の品々が手に入る。

(写真=メイン食材もいいが、おせちや雑煮の引き立て役として、上質な削り節や青のりを揃えればよりおいしさもアップ)

また買い物に疲れたら、市場内の一角にある軽食屋に立ち寄るのも楽しい。冷えた身体を芯から温めてくれる熱々のうどんにぜんざい、食べ歩きに便利なお好み焼や肉まんなども、買い物客に人気のメニューだ。

(写真=マルナカ食品センター内に、0911月にオープンしたばかりの軽食テイクアウト『ふくちゃん』のみたらし団子。ぜんざい、豚汁、チヂミ風のお好み焼きなど、買い物途中の腹ごしらえにぴったりのメニューが並ぶ)

マルナカ食品センターマルナカセンタービル本館/名古屋市中村区名駅4-15-2
マルナカ第二ビル/名古屋市中村区名駅4-16-23
TEL 052-581-8111
営業時間は4時~10時ごろ、営業日はホームページ参照

※年末は~12頃まで営業予定

ライターPROFILE食&農ライター 中西沙織(なかにしさおり)
元エリア情報誌の編集&ライター。農業学校を卒業し、現在“食・農・くらし”にまつわる取材、原稿執筆を中心にフリーランスで活動中。

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