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名駅のカフェ「ロジウラのマタハリ」、一日の売り上げ全額を義援金に

1日の売り上げ全額を東日本大震災の支援へ寄付「ロジウラのマタハリ」

1日の売り上げ全額を東日本大震災の支援へ寄付「ロジウラのマタハリ」

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 名駅のカフェ「ロジウラのマタハリ 春光乍洩」(名古屋市中村区椿町9、TEL 052-451-8533)が3月16日、一日の売り上げ全額を東日本大震災の支援へ寄付する企画を行った。

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 同店は2001年、オーナーの美尾りりこさんと武田信吾さん夫妻が2人の「好きなもの」を集めてオープンした路地裏のカフェ。アットホームな雰囲気が特徴で、映画や音楽が好きな人たちが会話を楽しみに来店したり、近くのビジネスマンなどが食事に訪れたりする。

 11日の大震災後、「被災地の甚大な被害の様子」と「食事と楽しい場所を提供するカフェ」というギャップが「自分の中で消化できず(地震が発生した後の)土日はどこか気持ちが落ち着かなかった」と美尾さん。そんなときに知ったのが、知人が経営するアジアン料理店「ワルンプアン」(千種区)の1週間の売り上げを全て寄付する企画だった。「同業者として共感を覚え、すぐにやることに決めた」という。

 16日当日、自分たちの中で気持ちの切り替えができ「今日も頑張ろう」と店を開けた。天気が悪く寒い日だったため、ランチタイムの客足はいつもに比べ悪かったが、告知したツイッターやミクシィなどを見て足を運ぶ客の姿も見られた。

 「この企画のため、遠くから電車を乗り継いで来てくれた女性に『ありがとう』と声をかけられて…初めは困惑した」と美尾さん。「彼女は何もできないことを苦しんでいたが、ここで使ったお金が被災地で役に立つ。自分でもできることが見つかったことに対するお礼だった」と振り返る。「私にとって、これは自分の中で折り合いをつけ楽しく仕事をするために行っていることだったが、『ありがとう』と言ってくれる人が多く、感謝の気持ちで受け止めてくれるなんて…。そう言ってもらえると素直にうれしかった」

 営業を終え、「今回の震災の被害は大きすぎて、何をどうしようとも手応えが感じられそうにないが、みんな何かをしたい、何かせずにいられない思いを抱え苦しんでいる。被災している人たちのためだが、自分自身のために何かをする。そういうことを感じた一日だった」と美尾さん。「いろいろな人たちの気持ちに触れて、何かまたいろいろなものが見えてきたような、すがすがしい気持ちだった」とも。

 この日の来店客数は34人。売り上げは3万4,070円。翌17日朝、美尾さんは郵便局から全額を日本赤十字社へ振り込んだ。食事代の釣りも寄付する来店客が多くいたことから、17日から置く予定だった募金箱も16日に用意した。今後、募金箱に日々の売り上げの一部を毎日入れていく予定だという。

 営業時間は11時30分~22時(日曜は21時まで)。月曜・火曜定休。

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