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「これでいいのか愛知県名古屋市」-地元在住のライターが実像明らかに

「これでいいのか愛知県名古屋市」を手にフリーライター澤村慎太郎さん

「これでいいのか愛知県名古屋市」を手にフリーライター澤村慎太郎さん

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 名古屋市在住のフリーライター澤村慎太郎さんが、名古屋に対するイメージに徹底取材で応えた単行本「これでいいのか愛知県名古屋市」(マイクロマガジン社)が出版された。

 澤村さんは愛知県出身。「中部経済新聞」の記者として活躍した後、退社して滋賀県で日刊地方紙「みんなの滋賀新聞」創刊に関わる。同紙廃刊後は名古屋に戻り、ライター業を始めた。2010年に自ら呼び掛け人となり、フリーライターやカメラマンらで組織する「新聞記者ネット名古屋」を発足。自らは河村市政を中心に名古屋の変化を追い続けている。

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 同書はマイクロマガジン社が刊行する「地域批評」シリーズの1冊。各地域の「街のイメージ」として貼られたレッテルを統計データと実地取材によって検証し、その上で見えてくる街の真実の姿を明らかにする。東京都各区や関東の都市を題材に巻を重ね、同シリーズでは福岡に続き名古屋が関東以外では2番目の刊行。多くの先行「名古屋本」などにある名古屋・名古屋人に対する評価を、地元在住の利点を生かし詳細に検証。歴史・文化論、気風などの紹介にとどまらず、政治、経済、スポーツ、都市開発、電力事情など、多彩な分野の最新情報を網羅している。

 「これまでの名古屋・愛知本は県民性をステレオタイプに紹介し、やゆ、卑下するものが多かった。それが万博開催のころからは『最強』『元気』と恥ずかしいくらいに持ち上げる内容が増えた。極端で単純な捉え方が多いと感じていたので、もっと多角的に見て名古屋の実像を伝える本が書きたかった」と澤村さん。自らが得意とする政治、経済はもちろん、他分野で取材をする「新聞記者ネット名古屋」のメンバーにも協力を仰ぎ、名古屋の「素顔」を一冊にまとめ上げた。

 取材して見えてきた名古屋の姿は一言では語れないものだったという。「名古屋は総括するのが難しい街。いろいろなことが荒削りでごった煮。それでも名古屋に貼られていた保守的とか文化不毛の地とかのレッテルははがすことができた。名古屋は200万都市にもかかわらず『大いなる田舎』と呼ばれ、突っ込みどころは満載だが、一方で独自の進化、発展を遂げた珍しい街。皆さんが名古屋を考える上でのささやかなきっかけにしてほしい」

 東海地震の可能性と電力供給を巡るデータ収集にも力が入った。「東日本大震災では多くの価値観が変更を迫られた。その中の一つに東京の一極集中の脆(もろ)さがある。まず何より、被災した東北・北関東の復興。そして今こそ東京以外の地方が真に自立し、力を発揮していくべき時だと思う。もう少し名古屋の突っ込みどころを大きく扱えば、同書シリーズのイメージに合ったかもしれないが、最後には『今こそ名古屋が頑張らねば』との思いが勝った」と振り返る。

 澤村さんが立ち上げた新聞記者ネット名古屋は、名古屋のフリーライターやカメラマンが、それぞれの活動を続けながらゆるやかに連携するネットワーク。滋賀県で新聞の創刊と廃刊に立ち会い、名古屋に戻った澤村さんが、同時期に休刊となった「名古屋タイムズ」の元記者らと協力して設立した。

 「新聞が消えても、ライターは消えないとの思いで立ち上げた団体。地域を取材する地元の媒体ができるだけ多くあった方が、その地域は豊かだと思う。新聞というジャンルは長い目で見ると衰退の方向に向かうかもしれないが、今までの体験を生かしながら記者のできること、『新聞』の可能性を模索していきたい」

 仕様はB5判、144ページ。価格は1,365円。

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