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名古屋が舞台の映画「さよならドビュッシー」-主演・橋本愛さんら来名

来名した(左から)利重剛監督、橋本愛さん、清塚信也さん

来名した(左から)利重剛監督、橋本愛さん、清塚信也さん

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 名駅の映画館「ミッドランドスクエアシネマ」(名古屋市中村区名駅4、TEL 052-527-8808)ほかで1月26日、映画「さよならドビュッシー」が全国公開される。公開に先立ち、利重剛監督と出演の橋本愛さん、清塚信也さんが来名し会見を開いた。

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 同作は「第8回 このミステリーがすごい!大賞」を受賞した中山七里さんの同名小説で、シリーズ累計43万部のベストセラーとなった音楽ミステリー。「BeRLiN」「クロエ」などを撮った利重監督がメガホンをとった。

 同い年で双子同然に成長してきた香月遥(橋本)といとこの片桐ルシア(相楽樹)はピアニストになるという共通の夢を持ち、音楽学校に通っていた。しかし、ある晩、2人は祖父(ミッキー・カーチスさん)の暮らす離れで火事に巻き込まれてしまう。火事で全身にやけどを負いながらピアニストの夢を追うヒロインを橋本愛さん、主人公を支えるピアノ教師・岬洋介を人気ピアニストの清塚信也さんが演じる。

 原作者の中山さんは岐阜県在住で、本作は名古屋が舞台。映画はオアシス21、愛知県庁など名古屋市内各所でロケを行った。名古屋出身の映画監督・堤幸彦さんが意外な形で出演するシーンもある。利重監督は「以前から仕事でよく名古屋を訪れていたので、どこに何があるかは分かっていた。ここはオアシスで撮りたいなど、考えながら脚本を書いていった」と話す。

 利重監督にとって「クロエ」以来10年ぶりの監督作品。「この10年の間に子どもが生まれたこともあり、家族というものや世界に対する考え方が変わった。具体的にどこということはないが、演出も変わっていると思う。10年ぶりという気負いはなかったが、全てにおいて手を抜かず、一生懸命に撮った」

 「桐島、部活やめるってよ」「貞子3D」「ツナグ」など話題作への出演が続く橋本さん。同作では火事により、身体の自由や豊かな表情、美しい声などを失いながら、ピアニストを目指す難役に挑戦した。「綿密な準備ができず、真っ白なまま撮影に入った。カメラを前にその場、その場で主人公の気持ちを考え、生まれた感情に素直に演じた。主人公の人生を、見る人に届けることを意識した。ピアノを弾く役は3回目だが、とても難しかった。できるところまで全力でやり、届かなかった部分は気持ちを大事にした」と話す。

 監督は「役作りに関してはほとんど演出しなかった。ピアノはどこまでやれるかなどを見ながら、ハードルを上げていった。本当によく練習してくれたので、ここまでなら合格点という予想を越えてくれた。ピアノの演奏シーンがこれほどできている映画はほかにないのでは」と自信を見せる。

 清塚さんは「ショパン国際ピアノコンクールin ASIA」で1位になるなどの受賞歴を国内外で持ち、年間100本以上の演奏活動を行っているピアニスト。テレビドラマ「のだめカンタービレ」の玉木宏さんや映画「神童」の松山ケンイチさんの吹き替え演奏を担当するなど、映像作品にも関わりを持っていたが、同作で本格的な俳優デビューとなった。「役柄に自分が近づいた部分と、自分に近づけた部分の両方がある。岬大介というキャラクターの魅力に助けられた。監督とは撮影に入る前から話し合いを繰り返して人物像を築いていった。男性ピアニストは貴公子的なイメージを持たれることが多いが、人間としての岬の魅力を見せたかった。スタッフや橋本さんのおかげで、できたと思う」と笑顔に。

 最後に利重監督は「小説、映画、音楽のどのジャンルを好きな人にも満足してもらえる作品を目指した。音楽をミステリーの単なる小道具にするのではなく、本当に素晴らしい演奏を見せるよう高いハードルを設定した。映画はエンターテインメントで、面白いことが大事。それができたうえで、その中にちょっとだけ自分の思うことがちりばめられていればいい」と話し、来場を呼び掛けた。

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