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名古屋・亀島に自然食品と日用雑貨の店 日本の文化、味を残したい

「食と暮らしの小さなお店 亀家)」店主の東山真矢さん(中央)と夫の浩二さんと娘さん

「食と暮らしの小さなお店 亀家)」店主の東山真矢さん(中央)と夫の浩二さんと娘さん

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 自然食品や日用雑貨を扱う「食と暮らしの小さなお店 亀家(かめや)」(名古屋市中村区井深町7、TEL 052-880-5483)がオープンして3カ月がたった。

自然食品や日用雑貨が並ぶ「亀家」店内の様子

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 店主の東山真矢さんは1児の母親。子どもができたことをきっかけに、自分の子どもなどこの先の世代に何を残すか考え始めたという。「日本の文化、日本の本来の味を残していきたい」と思い、原材料や、作り方など自身が納得して「いいもの」と言えるラインに達する商品を扱う店を作ることを決意。娘の誕生日の2月11日、自宅の目の前の空き物件で同店を開き、娘と一緒に店番をしている。

 化学精製などを行わない砂糖、塩など調味料の「さしすせそ」のほか、米、のり、乾麺、だし、ジュース、菓子などオーガニック商品を中心に販売する。「体にいいのはもちろんで、おいしいことが大前提」と東山さん。洋服、マスク、せっけんなどの日用雑貨も扱い、全体で約100~120アイテムをそろえる。

 各種類、販売数は抑えてある。「たくさんの商品が並ぶ利便性だけに焦点を当てるのではなく、信頼に足る人が大切に造り、育てたものだから大切に扱いたいと思う。消費者・生産者・仲介者でいい循環を作り、必要なものが必要な分、必要な人の元へ届く様な社会を目指したい」という。そのため売り切れることもあり、「『売り切れで欲しいものは待ってください』とお客さんに宣言している」とも。

 東山さんはしょうゆを例に取り、「大きな杉おけを作る日本で唯一の職人が高齢を理由に2020年で引退を宣言しているため、杉おけで造るしょうゆがなくなってしまう危機がある。機械化され大量生産のものは値段が安くありがたいが、それだけでいいのか」と疑問を呈す。「安く、即席で、フレーバーと見た目を似せた商品ではなく、本来の栄養素や味を大切にしないとそれが廃れた時にはもう取り返しが効かなくなってしまうという事実にも目を向けてほしい」と呼び掛ける。「子育てもあり無理はできないが『自分のできることを少しずつ』を基本に続けたい。将来的にはお客さんと生産者を訪問することも計画している」とも。

 客層はSNSをきっかけに店を知った人や近隣住民が多い。「自分の押し付けだけの品ぞろえではなく、皆さんが欲しいと思うものを置きたい」と来店者からアンケートを取っている。じっくりと考えてくれる人も多いとし、「消費行動をていねいに選択する人が増えている。このお店のことについても真摯(しんし)に考えてくれる人がいてありがたい」。

 火曜は三重県いなべ市の農園の野菜を入荷し、金曜は知多半島の生産者による野菜の出店販売「軒先の八百屋」(11時30分ごろ~12時30分ごろ)を行う。

 4月からは毎週水曜に、知人の飲食店など4組が週替わりで担当する弁当も販売。価格は800円程度。今後、店内の畳敷きのスペースなどを活用し、ワークショップなどのイベントも企画予定。

 営業時間は11時30分~16時30分。日曜・月曜定休(営業日でもイベント出店の場合あり)。

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