那古野エリアの四間道沿いにある老舗喫茶店「喫茶ニューポピー」(名古屋市西区那古野1)と、木製升などを製造・販売する「大橋量器」(岐阜県大垣市)がタッグを組んだ、ヒノキ升で飲むホットコーヒー「枡プレッソ」が11月、デビューする。11月中旬に「masu cafe」(大垣市)で始まる常時販売に先駆け、11月2日に同店で、3日に「喫茶ニューポピー」で先行体験イベントを開催する。
masu cafeではもともと大橋量器の既存製品でウレタン加工(食器用のコーティング)済みの升のコーヒーカップを用いてコーヒーを提供している。コーティング加工無しの升はヒノキの香りが強すぎて提供が難しいと判断し、加工後のものを使っているが、「升のヒノキの香りとともに楽しむコーヒーの提供をしたい」(同店店長の中野一磨さん)という気持ちが強まったことをきっかけに、喫茶ニューポピーオーナーの尾藤雅士さんとつながりのあった大橋量器の社員の提案で商品開発が始まった。
コーヒー豆の焙煎(ばいせん)事業も行う尾藤さんと喫茶ニューポピースタッフの岸田大道さんとで、試行錯誤し商品化にこぎ着けた。岸田さんは最初「ヒノキの香りとともに楽しむコーヒー」と聞いたとき「ヒノキの香りが強すぎてコーヒーを升に入れておいしく飲むのは不可能だと思った」と振り返る。
精製方法や焙煎、品種の違いなどさまざまなコーヒー豆を試した。「ナチュラルという方法で精製されるコーヒー豆は香りが強く野生的な香味があるので、ヒノキの大自然感じる香りとなじんでくれる。ロブスタという品種の豆を使うことでヒノキに負けないコーヒーらしい香りを出すことができた」(岸田さん)と話す。選んだ豆の配合を変え、コーヒーが感強い「ダーク」、ヒノキの香りが際立つ「ミディアム」、ヒノキとコーヒーのバランスの取れている「マイルド」の3種類を用意した。
「マリアージュさせることは大変難しかったがコーヒーとヒノキがマリアージュしている思う」と岸田さん。
「枡プレッソ」は、コーヒーが飲みやすいように飲み口を少し削って加工した一般的な一合升に入れ提供する。1杯700円(税別)で、升は待ち帰れる。
先行販売イベントでは、「masu cafe」(2日、10時~16時)に喫茶ニューポピーの尾藤さん、岸田さんが、「喫茶ニューポピー」(3日、14時~18時)はmasu cafeの中野さんが来店する。各日、各種15杯限定。