名古屋駅西に2021年1月30日、東海エリアのセレクト土産店「OMYAGE NAGOYA(オミャーゲ名古屋)」(名古屋市中村区竹橋町4)がオープンする。
「オミャーゲ名古屋」オリジナルの菓子「あんこがね」の食品サンプル
手掛けるのは2018(平成30)年に駅西にオープンした、喫茶店やフリーペーパー専門店、ギャラリーなどが入る「ホリエビル」を経営する「屋上とそら」社長の堀江浩彰さんと、駅西を拠点にひきこもり支援をするNPO法人「オレンジの会」職員の山田真理子さん。堀江さんと山田さんは協働し、2017(平成29)年にも駅西にミートパイのテークアウト店を「包みパイ専門店 ミートパイズミート」を開いた。
オミャーゲ名古屋がオープンするのは「ホリエビル」向かいの3階建ての元旅館「大松旅館」のビル。山田さんが縁あって出合った「大松旅館」を堀江さんに相談したことに始まる。山田さんは「立地が良いこの場所を堀江さんに何かできないか相談した」、堀江さんは「ホリエビルから見える、大松旅館含め、3軒並ぶタイル張りの建物がかわいいなと思っていた」と振り返る。
ビルを改修し、「ホリエビルANNEX」と名付けた。1階に「オミャーゲ名古屋」、2階に「屋上とそら」の事業の一つの刺しゅう工房、3階にオレンジの会の事務所が入居する。
オミャーゲ名古屋のテーマは「旅」。堀江さんによると、「名古屋駅から徒歩約5分でリニアの駅も近くにできる。周辺に宿泊施設も多い。近くで土産物を買うとなると百貨店や地下街だが、スタンダードなものしかない。ほかにない土産物を」という思いで同店を企画した。「大きい資本がやってきて有名な店ができるより、地域の人らしいことが作れたら」とも。
同店オリジナルデザインの土産商品を販売するほか、作家やアーティストなどが作品を販売できるレンタルボックス60個を設ける。オープン時は、堀江さんが声を掛けた作家10人程度の作品・商品が並ぶ。渋いビルを愛でる「名古屋渋ビル研究会」の小冊子や、九州の作家に依頼したエビフライや手羽先の形をした小さな焼き物などが並ぶ予定。
「全部自分で決めてしまうのも面白くないので、空きレンタルボックスがあるままでオープンし、この場所やコンセプトに共感し使いたいと思ってくれる人を募りたい」(堀江さん)、「作家などに限らない。学生でも地域の人でも、いろいろな商品が混ざり合えたら」(山田さん)と話す。旅や土産物などテーマに沿った審査基準を設ける。レンタルボックスのサイズは40センチ四方で、レンタル料は1箱1カ月3,500円で、販売手数料は2割。
旅館の名残を残した店内は東海エリアを意識し、常滑焼のレンガを床に敷きつめ、県産材の木材を使った棚を置き、美濃和紙を使った岐阜のちょうちんのランプシェードなどを取り付ける。
オミャーゲ名古屋オリジナル商品の一つとして、堀江さんが好きだという「ぱんじゅう」をモチーフに開発した菓子「あんこがね」も用意し、1階奥に「たつの屋」と名付けた場所を構え、製造・販売する。「あんこがね」はバターを利かせた生地にあずき餡(あん)を入れて焼き上げる、ベビーカステラのような見た目の菓子。価格は、8個入り=440円、16個入り=880円、串に刺した2個=110円。「土産需要のほか、近隣の人にも親しんでもらえれば」(山田さん)。そのほか、開発中だという「ミックスジュース」「あんココア」などのドリンク、「ミートパイズミート」のミートパイも販売する。
営業時間は10時~19時。日曜・祝日定休。1月31日まで、クラウドファンディングも行っている。「多くの人に知っていただくためにもクラファンを活用した」(堀江さん)。集まった資金は施設運営費や商品の仕入れ費用、作業工費に充てるという。