名古屋の和菓子土産の新ブランド「なごや菓八菓(かやか)」が3月3日、ジェイアール名古屋タカシマヤ(名古屋市中村区名駅1)地下1階にリニューアルオープンした「銘菓百選」内でお披露目された。
企画は名古屋商工会議所(名古屋市中区栄2、以下、名商)。「あたらしい名古屋の和菓子土産コンテスト」を昨年7月に募集を始め、地元の和菓子店から応募のあった18品から、大手百貨店の和菓子バイヤーや和菓子文化・土産に造詣が深い専門家が、味やデザイン、オリジナリティー、ストーリー性の観点で8事業者の8品を選定。今回、8種類がデビューした。
企画を担当した名商の久野幹太さんは「江戸時代、尾張藩初代藩主の徳川義直が茶人を集め茶会を開き、尾張徳川家の歴代藩主は茶の湯を好んだ。その後、武家だけでなく町人にも茶文化が広まり、農民も農作業の間に野点を楽しむなど茶文化が広がった。そこで、お茶請けとして和菓子づくりも盛んになった」と話す。「尾張藩主は豊かで砂糖の流通もあり、菓子が作りやすかった」とも。
「一朶(いちだ)」(南区)は菓子のルーツの木の実とコメの菓子のおこしをキャラメルでコーティングした「木の実のおこし」(1個=270円、1箱5個入り=1,620円)。「菓子処 大口屋」(江南市)は餡(あん)を生地で挟み、表面に金シャチの焼印と金粉を添えた「名古屋金鯱」(1個=195円、1箱5個入り=1,080円)。「京菓子司 亀広良(かめひろよし)」(西区)は名古屋城のお堀に張る薄氷をイメージした菓子で、地酒の蓬莱泉を使った「いちまいのみず」(1箱10切れ入り=1,080円)。「あられの匠 白木」(北区)はひつまぶしをイメージしたあられ「名古屋のひつまぶしあられ」(1箱150グラム2袋入り=1,296円)。
「大黒屋本店」(中区)はカカオニブを自家焙煎(ばいせん)し玄米粉と合わせた「生落雁 加加阿 cacao(なまらくがん かかお)(1箱9個入り=1,320円、12個入り=1,650円)。「不老園正光」(中区)は元々「みりん屋」だったルーツを振り返り、みりんを使った焼き菓子で、豆乳とオリーブオイルを使った生地でクルミ入りの白餡を包んだ「不老」(1個=220円、1箱6個入り=1,600円)。「山田餅なるみ」(緑区)はローストしたクルミ入りの羽二重餅に黒糖を加えた「なるみくるみ餅 黒糖」(1個=180円、1箱5個入り=1,150円)。「両口屋是清」(中区)は、名古屋名物のおにまんじゅうとういろうを2層にした「鬼うゐろう」(1箱=1,080円)。
「名古屋には豊かな和菓子文化がある。上生菓子と日持ちする菓子の両方を作れる技術を持った作り手もいる。そうした小さな店が名古屋に多い。これを世に出し、観光土産として確立させ育てていきたい」と意気込みを見せる。