工場で出る廃材の真ちゅうを使ったアクセサリーの販売が8月4日、ジェイアール名古屋タカシマヤ(名古屋市中村区名駅1)4階の「スタイル&エディット」で始まった。
廃材の真ちゅうを使ったリングなどのアクセサリーとブランドプレート
同商品は、名古屋のアクセサリーブランド「BLEU FUME(ブルーヒュメ)」(竹橋町11)が新たに取り扱い始めたもの。同ブランドは代表でデザイナーのNatsukoさんが約10年前の育休をきっかけに趣味で始めたアクセサリー作りが始まりで、SNSで紹介すると購入したいという人が増え、2016年にブランドを立ち上げた。既製のパーツで作るブライダルラインと日常利用を想定したカジュアルラインのアクセサリーを制作・販売する。現在はスタッフ5人で制作する。
「パーツからオリジナルデザインで作りたい」と製作会社を探していた中、プレス加工で出る廃材を使いアクセサリーなどを自社制作する金属加工会社「早川工業」(岐阜県関市)を知り、工場を訪ねたというNatsukoさん。「廃材を見て、自由だし面白い。可能性は無限大だと思った」と言う。
Natsukoさんのデザインを元に、廃材を切る、穴を開ける、叩くなどの加工を早川工業のスタッフが副業として担当。それを用いてブルーヒュメで組み立てる。リングやヘッドピースなどのアクセサリー、靴べらも制作するほか、友人の鍼灸院を飾るシャンデリアのデザインも手掛けた。「廃材がアクセサリーだけでなく、インテリアにも形を変えることができる」。
同ブランドでは廃材の真ちゅう活用のほかにも、検品ではじかれた既製パーツや、自社で組み立て時に発生したゆがみや傷などにより販売に至らなかったものなどの「ロス」を形を変えて二次利用し、ほしいと思ってくれる人へ届ける活動を行っている。ネパールの子どもたちにヘアピンを寄付したほか、ワークショップ参加者へのプレゼントなどに活用している。
「気に入って身に着けたアクセサリーが、たまたまロスを生かして作られたもので、結果的に購入者もSDGsに触れることができるのでは」「スタッフが制作でミスしてプレッシャーになるよりも、生かす先を考えて、より働きやすいようにしたい」と話す。今後はアルミの廃材にも着目しているという。
商品は出来上がり次第追加していく。